WBC世界スーパーミドル級タイトルマッチ
チャンピオン | カール・フロッチ(イギリス) 戦績:26戦全勝20KO |
挑戦者 | ミッケル・ケスラー(デンマーク) 戦績:44戦42勝32KO2敗 |
カール・フロッチ対ミッケル・ケスラーの試合内容
WBC世界スーパーミドル級チャンピオンのカール・フロッチと、前WBA世界スーパーミドル級チャンピオンのミッケル・ケスラーが激突する「スーパー・シックス」第2ステージ屈指の好カードです。初戦でアンドレ・ディレルに判定勝ちを収めたカール・フロッチと、初戦でアンドレ・ウォードに判定負けを喫したミッケル・ケスラー。この試合に敗れると「スーパー・シックス」敗退が濃厚になってしまうミッケル・ケスラーにとっては、まさに背水の陣の戦いですね。
全勝チャンピオンのカール・フロッチがミッケル・ケスラーの地元デンマークでタイトル防衛に成功し、「スーパー・シックス」連勝を飾るのか?それとも正念場を迎えたミッケル・ケスラーがカール・フロッチに初黒星を付けて踏みとどまるのか?スーパーミドル級最強を決める「スーパー・シックス」の行方を大きく左右する大一番が幕を開けます。
試合は地元デンマークの大声援を受けるミッケル・ケスラーが1ラウンドから攻撃に出る予想外の展開。試合序盤は相手の戦力を分析するため、ディフェンスを大事に戦うミッケル・ケスラーが珍しく1ラウンドからプレッシャーをかけて力強いパンチをカール・フロッチに打ち込んでいます。立ち上がりからこれほどアグレッシブに攻めるミッケル・ケスラーは初めて観ました。
一方、敵地に乗り込んだイギリス出身の全勝チャンピオン、カール・フロッチは左ガードを下げて半身に構える、攻撃重視のフリッカー・スタイルで反撃。「ケスラー相手にノーガードは危ないよ」と思ったのですが、前に出てくるミッケル・ケスラーに対して、カール・フロッチの左ジャブ、さらに左ジャブから右ストレートのワンツーが効果的で、鉄壁のディフェンスを誇るミッケル・ケスラーの顔面をとらえています。
3ラウンド、4ラウンドには、カール・フロッチの強烈な右ストレートがミッケル・ケスラーのガードを破壊し、顔面にクリーンヒット!序盤は攻防兼備のミッケル・ケスラーがカール・フロッチのパワーに押される場面が目立ちます。試合前半を観る限り、「フロッチのパワフルなボクシングが、ケスラーのスタイリッシュなボクシングを封じ込めるかな?」と思ったのですが、後半に入ると、ミッケル・ケスラーが手数を増やしてペースを奪い返そうとします。
ミッケル・ケスラーとしては、攻撃している間、ディフェンスに専念する傾向があるカール・フロッチにパンチを打ち続け、反撃する暇を与えない作戦のようです。普段は中間距離の打ち合いを得意とするミッケル・ケスラーですが、この試合は中間距離で戦うとカール・フロッチの左ジャブと右ストレートが生きると感じたのか、被弾覚悟で接近戦で勝負しています。
試合終盤はまさに死闘!カール・フロッチはコーナー、ロープに追い詰められると苦しいため、絶えずポジションを変えながら力強い一撃を打ち込んでミッケル・ケスラーを威嚇します。一方のミッケル・ケスラーはパンチが止まるとカール・フロッチの強打が飛んでくるので、絶えずパンチを出し続けて攻撃の手を緩めません。どちらもスタミナが落ちてきましたが、「休んだボクサーが負ける」壮絶な我慢比べになってきたため、ファイトプランを貫き、死力を尽くします。
「2010年で最も素晴らしい最終ラウンドの攻防」と管理人が賞賛する最終ラウンドでも決着がつかず、勝敗は3人のジャッジに委ねられます。結果は被弾しながらも終始前へ出続け、手数で圧倒したミッケル・ケスラーが3-0の判定でカール・フロッチを退け、「スーパー・シックス」初勝利を挙げると共に、世界チャンピオンに返り咲きました。一方のカール・フロッチはプロ初黒星で王座陥落です。
お互いが持ち味を発揮した素晴らしい試合でしたね!勝ったミッケル・ケスラーはもちろん、敗れたカール・フロッチにも大きな拍手を送りたいです。両者の実力は紙一重ですが、「絶対に勝つんだ!」というミッケル・ケスラーの気迫がカール・フロッチの気迫を少し上回っていたのではないかと思います。ミッケル・ケスラーにとっては地元デンマークの声援も大きかったですね。スタイリッシュなミッケル・ケスラーがテクニックだけでなく、精神的な強さをみせた試合でした。
カール・フロッチ対ミッケル・ケスラーの試合結果
試合結果 | ミッケル・ケスラーが12ラウンド3-0の判定勝ちで世界タイトル奪取に成功。カール・フロッチはプロ初黒星で王座陥落。管理人の採点は116-112でミッケル・ケスラーの勝ちでした。 【公式ジャッジの採点結果】
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