WBC世界フェザー級王座決定戦

試合内容

王座陥落から7か月、長谷川穂積選手が2階級制覇を目指して王座決定戦に挑みます。フェルナンド・モンティエルに衝撃のTKO負けを喫した長谷川穂積選手が再起戦で選択した階級はバンタム級から2階級上のフェザー級でした。対戦相手は全戦全勝のファン・カルロス・ブルゴス。長身でリーチの長い、打ち合いを好むメキシコ人ファイターです。

再起戦でいきなりの王座挑戦となる長谷川穂積選手。勝てば、日本人ボクサーとして初の「飛び級2階級制覇」の快挙となります。一方、ファン・カルロス・ブルゴスが勝てば、若き全勝チャンピオンの誕生です。スピードで上回る長谷川穂積選手が2階級制覇を達成するのか？ファン・カルロス・ブルゴスが打ち合いに巻き込み、悲願のチャンピオンベルトを手にするのか？日本のボクシングファンが注目する王座決定戦です。

試合はサウスポーの長谷川穂積選手が右ジャブで距離を測りながら、一気に踏み込んで左ストレート、右フックを積極的に打ち込む予想外の展開で始まります。試合前は「長谷川選手が距離を取ってスピードでかき回す展開になるんじゃないかな？」と予想していたのですが、思い切り予想が外れる展開になっちゃいました。

一方、世界タイトル初挑戦となるファン・カルロス・ブルゴスは長谷川穂積選手のスピードに戸惑いながらも左フック、右ストレートを中心に応戦しています。ガードを低く構えてパンチが出しやすいスタイルで戦っている長谷川穂積に対して、ファン・カルロス・ブルゴスはガードを高く構えてディフェンスを大事に戦っている印象です。

4ラウンド終盤には長谷川穂積選手の左ストレートがファン・カルロス・ブルゴスの顔面をとらえるなど、試合序盤は長谷川穂積選手のペースで進んでいます。5ラウンドに入ると、ポイントを奪い返すため、ファン・カルロス・ブルゴスが開始直後からプレッシャーを強め、打ち合いに持ち込もうとしますが、長谷川穂積選手も左ストレートのカウンター、右フックで応戦して主導権を渡しません。

7ラウンド序盤には、ファン・カルロス・ブルゴスが長谷川穂積選手をコーナーへ追い詰めて強烈な左フックを連打！さらにラウンド中盤、左アッパーを突きあげて長谷川穂積選手がヨロヨロと後退するなど、ファン・カルロス・ブルゴスが持ち前の攻撃力で長谷川穂積選手のボクシングを封じ込めようとします。

8ラウンド序盤には、偶然のバッティングで長谷川穂積選手が右まぶたをカットするなど、嫌な雰囲気が漂い始めます。「序盤から力いっぱいパンチを打っている長谷川選手はいつも以上にスタミナを消耗しているよ。パンチのダメージも重なって、少しずつ動きが鈍くなっているけど、大丈夫かな？」と心配する管理人。しかし、ここから「日本のエース」長谷川穂積選手が本領を発揮します。

悲願の世界タイトル奪取に燃えるファン・カルロス・ブルゴスのフック、アッパーを華麗なフットワーク、ボディーワークでかわし、すかさずコンパクトな左ストレート、右フックを打ち込んで反撃！ファン・カルロス・ブルゴスの右目の下が腫れあがり、視界がふさがるほど、長谷川穂積選手のパンチが的確に連続で当たっています。

ラスト3ラウンドは逆転KOを狙って勝負をかけてくるファン・カルロス・ブルゴスに対して、長谷川穂積選手が真っ向から打ち合いを挑み、試合の主導権を渡しません。試合はこのまま長谷川穂積選手のペースで終了のゴングが鳴り響きます。結果は3人のジャッジすべてが長谷川穂積選手を支持。長谷川穂積選手が12ラウンド判定勝ちを収め、日本人ボクサーとして初となる「飛び級2階級制覇」の快挙を達成しました。

長谷川穂積選手の気迫とスピードがファン・カルロス・ブルゴスのボクシングを封じ込めた試合でしたね。管理人は、これだけ気持ちを前面に押し出した長谷川穂積選手の試合を初めて観ました。長谷川穂積選手がこれだけ「力と力」の勝負をするとは全く予想できませんでした。全勝の若きファイター、ファン・カルロス・ブルゴスをパンチで後退させて、2階級制覇を達成するのですから、さすがは長谷川穂積選手ですね。

長谷川穂積選手が殴り込みをかけたフェザー級は、実力と人気を兼ね備えたボクサーがひしめく軽量級の激戦区。特にWBA・IBFチャンピオンのユリオルキス・ガンボアとWBOチャンピオンのファン・マヌエル・ロペスはともに強打の全勝チャンピオンで、ボクシング界のスーパースターです。「長谷川選手がガンボアやファンマと統一戦をしたらどうなるかな？（WBOは非公認なので実現しませんが…）」と考えるだけでめちゃめちゃワクワクしますね。長谷川穂積選手に大きな拍手です！

試合結果