WBC世界バンタム級タイトルマッチ
チャンピオン | 長谷川穂積(日本・真正ジム) 戦績:30戦28勝12KO2敗 |
挑戦者 | フェルナンド・モンティエル(メキシコ) 戦績:44戦40勝30KO2敗2分 |
試合内容
まさか実現するとは思いませんでしたね。10度の防衛を達成したWBC世界バンタム級チャンピオンの長谷川穂積選手が、WBO世界バンタム級チャンピオンのフェルナンド・モンティエルと拳を交えます。日本ボクシング界の絶対的なエース、長谷川穂積選手と、メキシコが誇る3階級制覇チャンピオンのフェルナンド・モンティエルが激突する夢のカードです。
直前の防衛戦で、長谷川穂積選手はアルバロ・ペレスに4ラウンドTKO勝ち、フェルナンド・モンティエルはシソ・モラレスに1ラウンドKO勝ちを収め、どちらも圧倒的な存在感を示しています。事実上の統一戦を制し、自らの存在感を高めるのは、WBC王者の長谷川穂積選手でしょうか?それとも、WBO王者のフェルナンド・モンティエルでしょうか?
試合は1ラウンドから息詰まるフェイントの掛け合い。右ジャブを突きながら距離を測り、懐に飛び込むタイミングを探る長谷川穂積選手に対して、フェルナンド・モンティエルは左ジャブを突きながら距離を保ち、カウンターの右ストレート、左フックを狙っているようです。一発で試合が終わりそうな雰囲気がビシバシ伝わってくる試合ですね。
「出入りのスピードは長谷川選手のほうが上だけど、ショートの連打はモンティエルが上かな?足が止まったほうが相手のパンチをもらいそうな雰囲気だよ」と緊張感たっぷりの試合展開を観察する管理人。立ち上がりを観る限り、フェルナンド・モンティエルは長谷川穂積選手のスピードに戸惑っているようですね。
3ラウンドに入ると、長谷川穂積選手が右ジャブを上下に打ち分け、鋭いステップインから左ストレート、右フックを打ち込んで主導権を握ります。「いいよ、いいよ」と思わず叫ぶ管理人。出入りのスピードでフェルナンド・モンティエルを翻弄し、的を絞らせない作戦のようです。
4ラウンドに入っても、長谷川穂積選手のペースで試合が進み、迎えたラスト10秒。衝撃の光景が目の前に広がります。長谷川穂積選手の左ストレートに合わせて、フェルナンド・モンティエルがショートの左を打ち込み、さらに強烈な左フックをフォローします。このパンチで長谷川穂積選手の体が大きく沈み、たたらを踏んで後退したところへ、フェルナンド・モンティエルが襲いかかります!
フェルナンド・モンティエルは左右のフックを連打し、長谷川穂積選手をロープへ追い詰めると、強烈な左フックを打ち込み、長谷川穂積選手のアゴを跳ね上げます。さらに畳みかけるフェルナンド・モンティエルは左アッパーを2発打ち込み、長谷川穂積選手をロープへ釘付けにし、最後は左右のフックを連打したところで、レフェリーが試合をストップ!フェルナンド・モンティエルが長谷川穂積選手に4ラウンドTKO勝ちを収め、WBCタイトルを手に入れました。
いやー、フェルナンド・モンティエルの凄まじいラッシュが、10度防衛した日本のエースの意識を刈り取りましたね。序盤を観る限り、「距離さえ間違わなければ、長谷川選手のスピードがモンティエルのテクニックを封じ込めそうだぞ」と思ったのですが、一瞬のスキを突かれちゃいました。右ストレートをエサにして、長谷川穂積選手が左ストレートのカウンターを打とうとしたところへ、カウンターの左のショートパンチを一瞬の差で打ち込むのですから、「さすがはモンティエル」としか言いようがありません。本当に勇敢なチャンピオンです。
5年間守り続けた王座から陥落した長谷川穂積選手ですが、4ラウンド(フェルナンド・モンティエルの猛攻を受ける前)までの内容は素晴らしかったと思います。減量が相当苦しいはずなので、ゆっくり静養した後は、階級を上げて再起してほしいです。長谷川穂積選手のスピードがあれば、上の階級でも十分戦えると思います。日本のエースの復活に期待です。
試合結果
試合結果 | フェルナンド・モンティエルが4ラウンドTKO勝ちでタイトル奪取に成功し、WBCタイトルを獲得。長谷川穂積選手は9年ぶりの敗北で王座陥落。 |