WBA世界スーパーライト級王座統一戦
チャンピオン | アミール・カーン(イギリス) 戦績:24戦23勝17KO1敗 |
暫定チャンピオン | マルコス・マイダナ(アルゼンチン) 戦績:30戦29勝27KO1敗 |
試合内容
圧倒的なスピードを誇るWBA世界スーパーライト級チャンピオンのアミール・カーンと、制圧的な攻撃力を誇るWBA暫定世界スーパーライト級チャンピオンのマルコス・マイダナが王座統一戦で拳を交えます。管理人が「早く観たいな」と願っていたカードがついに実現しました!
チャンピオンのアミール・カーンはアテネ・オリンピックの銀メダリストでプロ転向後も世界タイトルを獲得したイギリス期待のエリートボクサーです。一方のマルコス・マイダナは数々の乱打戦を制して世界の頂点にたどり着いたアルゼンチン出身の雑草ボクサー。正反対の特徴を持つボクサー同士の対決ですね。
アミール・カーンは2度、マルコス・マイダナは3度タイトルを防衛し、今回の王座統一戦を迎えました。アミール・カーンはポール・マリナッジに11ラウンドTKO勝ち、マルコス・マイダナはビクトル・マヌエル・カージョに6ラウンドKO勝ちを収めるなど、どちらも強豪を退けながら、好調を維持した状態で今回の頂上対決に挑みます。
2010年12月現在、ボクシングの全17階級で最も強豪が集まるスーパーライト級で、神秘の光を放つボクサーはスピードを武器に戦うアミール・カーンでしょうか?それともパワーを武器に戦うマルコス・マイダナでしょうか?世界中のボクシングファンが注目する王座統一戦です。
試合は1ラウンドから目の離せない凄まじいボクシングが展開されます。開始直後、アミール・カーンがグローブを合わせに行ったところで、マルコス・マイダナが挨拶を無視していきなり右フックを強振!アミール・カーンは右サイドにダッキングしてパンチを避けましたが、マルコス・マイダナの「とにかく勝ちたい」という気迫がこもった奇襲でしたね。
この奇襲に「カチン!」ときたのはチャンピオンのアミール・カーン。マルコス・マイダナの右フックをもらいながらも、アミール・カーンは強引に距離を詰めて速射砲のような連打を顔面、ボディーへ打ち分けます。
「カーンがフルスロットルで打ち合いに行ってるよ。めちゃめちゃ予想外だな」と試合の行方を見守る管理人。すると、1ラウンド残り20秒、アミール・カーンの右フック、左フックの連打がマルコス・マイダナのボディーに突き刺さり、マルコス・マイダナが苦悶の表情を浮かべながらリングに崩れ落ちます。
「ぎょえ!ものすごいボディーブロー!」と思わず絶叫する管理人。マルコス・マイダナは歯を食いしばりながらダウンから立ち上がりましたが、かなり辛そうな表情を浮かべています。1ラウンドを観る限り、アミール・カーンのスピードがマルコス・マイダナのパワーを上回っていますね。
2ラウンドは、ボディーにダメージを受け、腰を引きながら戦うマルコス・マイダナに対して、アミール・カーンが出入りのスピードを生かしたボクシングでマルコス・マイダナにパンチを集め、主導権を握り始めます。
アミール・カーンとしては、ダウンを奪った次のラウンドだけに、もう少し分厚い攻撃を仕掛けてダメージを与えたかったと思うのですが、まだ序盤なので、マルコス・マイダナのパンチを警戒しながら戦っているようです。
3ラウンドに入ると、ラウンド開始からマルコス・マイダナがパンチを出しながらアミール・カーンを追い回し、プレッシャーをかけます。開始30秒、アミール・カーンのワンツーがマルコス・マイダナの顔面をとらえますが、マルコス・マイダナもアミール・カーンをロープへ追い詰め、強烈な右ストレートで反撃。凄まじい打ち合いになってきました。
「乱打戦になると、マイダナが一枚上手だよ。カーンは距離を取ってヒット・アンド・アウェイ(ヒット・アンド・ラン)で対抗したいなあ」と深いため息を吐く管理人。アミール・カーンもマルコス・マイダナも一撃で相手を沈めるパンチを持っているので、ものすごい緊張感が漂い、管理人まで呼吸が苦しくなってきました。
4ラウンドは、アミール・カーンが回転の速い連打で、マルコス・マイダナにパンチを打ち込み、主導権を握ろうとします。一方のマルコス・マイダナはアミール・カーンの懐に飛び込んで左右のアッパーを突き上げ、簡単に主導権を渡しません。
アミール・カーンはどれだけ動いて自分の距離で戦えるか。マルコス・マイダナはどれだけ追い回してパンチを出し続けられるか。気が遠くなるような我慢比べになってきました。アミール・カーンはフットワーク、マルコス・マイダナはパンチが止まると、一気に相手のペースになる本当に苦しい我慢比べですね。
お互いの闘志がぶつかり合い迎えた5ラウンド中盤。レフェリーのジョー・コルテスがアミール・カーンとマルコス・マイダナのクリンチをほどこうとした瞬間、マルコス・マイダナのヒジがジョー・コルテスの胸に突き刺さります。これが故意(ブレイクに対する反抗的な態度)とみなされ、マルコス・マイダナから1ポイントの減点。
「うわ、この減点は痛い!マイダナは冷静に戦わないと、自分でチャンスを潰しちゃうよ」とクリーンな戦いを期待する管理人。マルコス・マイダナはパンチが空回り、イライラしているようですが、KO率9割を誇るパンチを持っているだけに、試合を投げださず戦い続ければ、逆転するチャンスが訪れる可能性を秘めています。
6ラウンドに入ると、奪われたポイントを挽回しようと、マルコス・マイダナが勝負に出ます。パンチを出しながらアミール・カーンを追い回し、相打ち覚悟で、自慢の強打をアミール・カーンに叩き込みます。マルコス・マイダナは完全に力勝負を仕掛けていますね。
7ラウンドには、アミール・カーンの左ジャブをダッキングでかわしたマルコス・マイダナが右フックを顔面にクリーンヒットさせ、アミール・カーンの体が流れます。どちらも主導権を握るため、1ラウンドからパンチを出し続け、体力的にも精神的にもギリギリの状態で戦っていますね。全く先が読めない凄まじい消耗戦になってきました。