WBC世界スーパーミドル級王座決定戦
前IBF世界 ミドル級チャンピオン |
アルツール・アブラハム(ドイツ・アルメニア出身) 戦績:32戦31勝25KO1敗 |
元WBC世界スーパー ミドル級チャンピオン |
カール・フロッチ(イギリス) 戦績:27戦26勝20KO1敗 |
試合内容
破壊力抜群の一撃必殺パンチを武器に戦う「キング」、アルツール・アブラハムと、力強い連打で相手を戦闘不能に追い込む「コブラ」、カール・フロッチが空位のWBC世界スーパーミドル級タイトルをかけて激突します。タイプは違いますが、強打を武器に戦うタフなファイター同士の戦いで、ボクシングファンにとってはたまらない好カードですね。
なお、この試合はスーパーミドル級最強を決める「スーパー・シックス」の第3ラウンドも兼ねています。「スーパー・シックス」屈指の好カードを制して、世界中に実力を誇示するボクサーはアルメニア出身の「キング」でしょうか?それともイギリスが誇る「コブラ」でしょうか?
試合はガッチリとガードを固めて相手の出方を確認するアルツール・アブラハムに対して、カール・フロッチが左ジャブを突きながら距離を測り、右ストレートを叩きつける予想通りの展開で始まります。1ラウンドからガンガン攻め込むタイプのカール・フロッチが、1ラウンドはガードを固めて相手の様子を見るアルツール・アブラハムに積極的にパンチを叩き込んでいますね。
「スーパー・シックス」の第2ラウンドで、アルツール・アブラハムはアンドレ・ディレルに反則負け、カール・フロッチはミッケル・ケスラーに判定負けで、どちらもプロ初黒星を喫してしまいましたが、どちらもファイトスタイルを変えることなく、自分のボクシングを貫いていますね。
試合序盤はカール・フロッチがアルツール・アブラハムのガードを上を叩き続ける展開が続きます。アルツール・アブラハムは攻防分離のボクサーなので、相手がパンチを打ってくると、ガードを固めて守備一辺倒になってしまいます。カール・フロッチはワンツーを打ち続けることで、アルツール・アブラハムの攻撃を防いでいますね。
試合中盤に入ると、アルツール・アブラハムが左右のフックを振り回して反撃開始。しかし、カール・フロッチはボディーワークでアルツール・アブラハムの強打を空振りさせ、力強いワンツーで応戦します。カール・フロッチはアルツール・アブラハムのボクシングを徹底的に研究してきたようです。
アルツール・アブラハムはガードを固めてクリーンヒットを防いでいますが、試合が進むにつれて、カール・フロッチの強打がガードを打ち破る場面が増えてきました。これまで対戦相手のパンチをことごとく鉄壁のガードで防いできたアルツール・アブラハムが、カール・フロッチの予想以上のパワーに戸惑っているようです。
試合終盤に入ると、ダメージと疲れが影響しているのか、アルツール・アブラハムの動きが少しずつ鈍くなり、得意の「後半勝負」を仕掛けることができません。一方のカール・フロッチは序盤と変わらず、テンポ良くパンチを打ち込んでいます。カール・フロッチはスタミナも豊富で本当にタフなボクサーですね。
試合はこのままカール・フロッチが主導権を握る展開で進み、12ラウンド終了のゴングが鳴り響きます。結果は3人のジャッジすべてがカール・フロッチを支持。カール・フロッチが世界チャンピオンに返り咲くと同時に「スーパー・シックス」の決勝トーナメント2位通過を決めました。敗れたアルツール・アブラハムは4位通過です。
これだけ一方的な展開になるとは思いませんでしたね。カール・フロッチ陣営が完璧なアルツール・アブラハム対策を立て、それをカール・フロッチが忠実に実行し、失った世界タイトルを取り戻すことに成功しました。12ラウンド力強いパンチを出し続けられるカール・フロッチのスタミナは本当に驚異ですね。
なお、この試合の結果、「スーパー・シックス」の決勝トーナメント初戦で1位のアンドレ・ウォードと4位のアルツール・アブラハム、2位のカール・フロッチと3位のグレン・ジョンソンが戦うことになりました。勝ったカール・フロッチと敗れたアルツール・アブラハムは、この試合を観る限り、決勝トーナメントでも明暗が分かれそうな気配ですね。
アルツール・アブラハム対カール・フロッチの試合結果
試合結果 | カール・フロッチが12ラウンド大差の判定勝ちでアルツール・アブラハムに快勝。管理人の判定は120-108でカール・フロッチの勝ちでした。 【公式ジャッジの採点結果】
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