WBA世界スーパーウェルター級タイトルマッチ
チャンピオン | ミゲール・コット(プエルトリコ) 戦績:38戦36勝29KO2敗 |
挑戦者 | アントニオ・マルガリート(メキシコ) 戦績:46戦38勝27KO7敗1無効試合 |
ミゲール・コット対アントニオ・マルガリートの試合内容
抜群のボクシングセンスを誇るプエルトリコ出身のミゲール・コットと抜群のタフネスを誇るメキシコ出身のアントニオ・マルガリートがプライドをかけて3年ぶりの再戦で拳を交えます。ミゲール・コットとアントニオ・マルガリートの初対決はウェルター級を舞台にした2008年7月。壮絶な死闘の末、アントニオ・マルガリートがミゲール・コットに11ラウンドTKO勝ちを収めました。
お互いのプライドをかけた因縁の再戦。スーパーウェルター級のタイトルを獲得して3階級制覇を成し遂げたミゲール・コットがリベンジに成功し、プロ初黒星を喫した宿敵に雪辱するのでしょうか?それとも、驚異的なタフネスを誇るアントニオ・マルガリートがミゲール・コットの夢を打ち砕き、再び世界タイトルと主役の座を奪い取るのでしょうか?世界中のボクシングファンが注目する因縁の再戦です。
試合は、ガードを固めて左ジャブを突きながら距離を詰め、打ち合いに持ち込もうとする挑戦者のアントニオ・マルガリートに対して、チャンピオンのミゲール・コットが鋭い左ジャブを突きながらアントニオ・マルガリートを突き離し、得意の左フックを狙う展開で始まります。
「アウトボクシングに徹したいコットとインファイトで勝負したいマルガリート。初戦と同じような予想通りのボクシングでスタートしたね」と注目のビッグマッチにワクワクが止まらない管理人。初戦と比べて、立ち上がりからミゲール・コットのパンチがより強くアントニオ・マルガリートにヒットしている印象です。
「コットが回転の速い連打を武器に上手く距離を保っているね。マルガリートはコットのスピードについて行けない感じだけど、体力差、体格差を生かして後半勝負に持ち込んでくるはずなんで、コットが前半、どれだけ打たせずに打つことができるかがポイントになりそうだぞ」と大ファンのミゲール・コットに声援を送る管理人。立ち上がりを観る限り、ミゲール・コットの調子は良さそうですね。
2ラウンドに入ると、アントニオ・マルガリートが手数を増やしてプレッシャーを強めます。完敗を喫したマニー・パッキャオ戦は全くパンチが出ず、防戦一方になってしまったアントニオ・マルガリートですが、この試合はパンチを出しながら距離を詰めようとしていますね。
一方、ミゲール・コットは接近戦にめっぽう強いアントニオ・マルガリートを警戒して、左右にステップを踏みながらアウトボクシングに徹しています。パンチと動きのスピードで上回るミゲール・コットは自分の長所を生かすボクシングでアントニオ・マルガリートを空回りさせる作戦のようです。
「あ、コットのパンチをもらったマルガリートの右目が腫れてる。初戦は下がりながらパンチを打つことが多かったコットだけど、今回の再戦はしっかりと踏み込んでパンチを打ち込んでいるよ。序盤でパンチを効かせることができれば、さすがのマルガリートも後半苦しくなりそうだぞ」と試合の行方に注目する管理人。
初戦は早いラウンドで打ち合いに巻き込まれてしまい、顔面にアッパー、そしてボディーブローを打たれ続けて動きが鈍ってしまったミゲール・コットですが、この試合は「打たせずに打つボクシング」に徹しています。
4ラウンドに入ると、アントニオ・マルガリートがミゲール・コットをロープに追い詰める場面が少しずつ増え始めます。アントニオ・マルガリートが踏み込むと、ミゲール・コットはサッとサイドに動いてポジションを変え、ロープを背負わないよう工夫しながら戦っていますが、アントニオ・マルガリートの詰めが厳しくなってきましたね。
「ちょっとずつコットがマルガリートのプレッシャーを感じてきたな。コットはフットワークとクリンチで、マルガリートの攻撃を防いでいるけど、少しずつパンチをもらうシーンが目立つようになってきたよ。距離を取るにしても、懐で戦うにしても、パンチを出しながら応戦しないと、初戦の二の舞になっちゃうよ」とミゲール・コットのボクシングに注目する管理人。
下がりながらも必死にパンチを叩き込もうとするミゲール・コット。打たれながらも猛然と前進を続けるアントニオ・マルガリート。プライドをかけた再戦は、試合が進むにつれて、名勝負と呼ばれた初戦と似たような展開になってきました。ただ、初戦と大きく違うことは、ミゲール・コットのダメージよりアントニオ・マルガリートのダメージのほうが大きいことです。
8ラウンド終了後、アントニオ・マルガリートがコーナーに戻ると、ドクターが大きく腫れ上がった右目をチェック。腫れ上がったまぶたが完全に視界をふさぎ、アントニオ・マルガリートの右目はほとんど見えていないようです。
9ラウンドに入ると、右目が腫れ上がり、ストップを警戒するアントニオ・マルガリートが猛然と突進して勝負をかけます。しかし、ミゲール・コットが左フックの強烈なカウンターを叩き込み、主導権を渡しません。初戦と違い、ミゲール・コットが強烈なパンチをアントニオ・マルガリートに打ち込み、アントニオ・マルガリートの体が流れるシーンが生まれていますね。
「さあ、終盤勝負。ここからがコットにとってもマルガリートにとっても本当の戦いだよ」と思っていると、9ラウンド終了後、レフェリーがドクターにアントニオ・マルガリートの右目の状態を確認するよう要請し、ドクターが試合続行不可能と判断。この瞬間、ミゲール・コットがアントニオ・マルガリートに9ラウンド終了TKO勝ちを収め、3年ぶりの再戦で宿敵にリベンジを果たしました。
初戦と同じように、ミゲール・コットとアントニオ・マルガリートのプライドがぶつかり合った凄まじい消耗戦でしたね。最後はプロ初黒星を糧に這い上がったミゲール・コットが勝利をたぐり寄せましたが、「ラスト3ラウンドが続行されていたら、どうなっていたんだろう?」と想像しちゃう展開でした。
強烈なプレッシャーに耐えながら常に動いてパンチを出し続けたミゲール・コット。被弾しながら前進を続けたアントニオ・マルガリート。熱気溢れるマジソン・スクエア・ガーデンのリングで凄まじい激闘を演じた2人のボクサーに大きな拍手を送りたいです。ミゲール・コットもアントニオ・マルガリートもすごかったな~。
ミゲール・コット対アントニオ・マルガリートの試合結果
試合結果 | ミゲール・コットが9ラウンド終了TKO勝ちで2度目のタイトル防衛に成功。3年ぶりの再戦でプロ初黒星を喫したアントニオ・マルガリートにリベンジを果たしました。 |