WBC・WBO世界バンタム級タイトルマッチ

試合内容

ボクシング王国のメキシコで絶大な人気を誇る3階級制覇チャンピオン、フェルナンド・モンティエルが、3階級制覇を目指すフィリピンの倒し屋、ノニト・ドネアを迎えて防衛戦を行います。世界中のボクシングファンが待ちわびた、軽量級を代表するスーパースター同士のビッグマッチですね。

長谷川穂積選手を撃破したフェルナンド・モンティエルが持ち味のテクニックを発揮してWBCは2度目、WBOは4度目の防衛に成功するのか？それとも「フィリピンの閃光」ノニト・ドネアが自慢の強打を武器に3階級制覇を達成するのでしょうか？バンタム級最強を決める戦いのゴングが鳴り響きます。

試合開始直後から仕掛けたボクサーは3階級制覇を狙う挑戦者のノニト・ドネア。左ジャブを突いて距離を測ると、すかさず右ストレートを顔面、左フックをボディーへ打ち込みます。ノニト・ドネアはスーパーフライ級から上がってきたと思えないパンチ力とスピードですね。

一方、チャンピオンのフェルナンド・モンティエルはディフェンスを大事しながらノニト・ドネアのパンチとスピードに慣れようとしている印象です。負けん気の強いフェルナンド・モンティエルですが、さすがにノニト・ドネアの強打は警戒していますね。

「パンチ力もスピードも体格も全部ドネアが上回っているよ。百戦錬磨のモンティエルでも、このまま守勢に回ってしまうと苦しくなるんで、どうやって、どのタイミングで反撃に出るかな？」と試合の行方を見守る管理人。2ラウンドが始まると、フェルナンド・モンティエルが1ラウンドより攻撃姿勢を強め、主導権を奪い返しに行きます。

挑戦者のノニト・ドネアは、鋭い左ジャブで突き放したり、いきなりの右ストレートを打ち込んだりして、フェルナンド・モンティエルの前進を止めようとしていますね。「お互いの距離が詰まって来たよ」と思い始めた2ラウンド残り1分、衝撃の光景が目の前に広がります。

フェルナンド・モンティエルが右ストレートを打ち込んだ瞬間、ノニト・ドネアがカウンターの左フックを強振！ノニト・ドネアのベストショットはフェルナンド・モンティエルのテンプルを直撃し、フェルナンド・モンティエルが崩れ落ちるように一回転しながらダウン！

ダウンしたフェルナンド・モンティエルが無意識に手と足をバタバタさせる光景を見た瞬間、「これは立てない。さすがに無理でしょう」と思ったのですが、不屈の闘志を持つフェルナンド・モンティエルはフラフラになりながらも、10カウント以内に立ち上がり、レフェリーは試合続行を指示します。

しかし、「ファイト」がかかった瞬間、ノニト・ドネアがフェルナンド・モンティエルに左フック、右ストレートを叩き込み、レフェリーが試合をストップ。「フィリピンの閃光」ノニト・ドネアがフェルナンド・モンティエルに2ラウンドTKO勝ちを収め、3階級制覇を達成すると同時にバンタム級最強の称号を手にしました。

信じられない光景が目の前に広がり、ノニト・ドネアの強さにただただ敬服するばかりです。フェルナンド・モンティエルをダウンさせた左フックは、これまでKO負けのないフェルナンド・モンティエルが一撃で意識を断たれるほど、切れ味の鋭いパンチでしたね。

管理人は久しぶりにこれほど「恐ろしいパンチ」を見ました。普通のダウンやKOシーンなら「すごいパンチ」という表現が当てはまると思うのですが、ノニト・ドネアの左フックは「モンティエルのボクシング生命を絶ってしまうんじゃないかな？」と思ってしまうほどの破壊力でした。

バンタム級は素晴らしいボクサーがそろっていますが、ノニト・ドネアは頭3つくらいずば抜けていると思います。前の試合でもノニト・ドネアは元チャンピオンのウラディミール・シドレンコを一方的なTKO勝ちで撃破しましたからね。

バンタム級で最もタフなIBFチャンピオンのジョセフ・アグベコがノニト・ドネアと渡り合えそうな唯一の存在ですが、「信じられないタフさを誇るアグベコでもKOされちゃうんじゃないかな？」と思わずにいられません。試合を重ねるにつれて、ボクシングファンが熱狂する、そして対戦相手が恐怖を感じる圧倒的な内容で勝ちを収めています。

フェルナンド・モンティエルに圧勝し、3階級制覇を達成したノニト・ドネア。持ち味のスピードとパンチの切れが維持できれば、今後、スーパーバンタム級、フェザー級へ階級を上げても、世界タイトルを奪取できると思います。マニー・パッキャオに次ぐフィリピンのスーパースターがボクシング界の中心に歩みを進めています。ノニト・ドネア、強すぎる！

フェルナンド・モンティエル対ノニト・ドネアの試合結果