WBO世界フェザー級タイトルマッチ
チャンピオン | オルランド・サリド(メキシコ) 戦績:51戦37勝25KO11敗2分1無判定 |
挑戦者 | ファン・マヌエル・ロペス(プエルトリコ) 戦績:32戦31勝28KO1敗 |
オルランド・サリド対ファン・マヌエル・ロペスの試合内容(前編)
激しい打ち合いを得意とするタフな世界チャンピオンのオルランド・サリドと2階級制覇の実績を誇る強打のファン・マヌエル・ロペスが再戦で拳を交えます。初戦は壮絶な打撃戦の末、オルランド・サリドがファン・マヌエル・ロペスに8ラウンドTKO勝ち。世界中のボクシングファンが驚いた大番狂わせでした。
初戦から11か月の月日が流れ、迎えた因縁のリマッチ。オルランド・サリドがチャンピオンとしての誇りを胸を連勝を飾るのでしょうか?それとも、ファン・マヌエル・ロペスがプロ初黒星を喫した因縁のボクサーにリベンジするのでしょうか?KO必至の死闘が幕を開けます。
試合は、初戦と同じく頭から突っ込んで左右のフックを上下に打ち分けるチャンピオンのオルランド・サリドに対して、挑戦者のファン・マヌエル・ロペスが右ジャブから右フックを使って右に回り込み、左ストレートとフックを顔面に叩き込もうとする展開で始まります。
「初戦はファンマが真っ向から打ち合いに応じたけど、再戦は打ち合いを避けてきたね。サリドのパワフルな突進を正面から受け止めず、打たせずに打つボクシングで主導権を握れるかな?」とファン・マヌエル・ロペスのボクシングに注目する管理人。
ファン・マヌエル・ロペスはプロ初黒星を喫した初戦の反省を生かし、驚異的な打たれ強さとスタミナを誇るオルランド・サリドを相手に体力勝負ではなく、ボクシング勝負でタイトル奪還を狙っている印象です。打ち合うと無類の強さを発揮するオルランド・サリドのボクシングを研究してきた証拠ですね。
アウトボクシングでペースを握りたいファン・マヌエル・ロペスですが、チャンピオンのオルランド・サリドも簡単に主導権を渡しません。ファン・マヌエル・ロペスを執拗に追い回し、ボディーから食いついて乱打戦に持ち込もうとします。打たれても前へ出続けるオルランド・サリドの執拗な攻撃に、さすがのファン・マヌエル・ロペスも余裕がありませんね。
「ファンマはまともにパンチをもらってるね。タフだから耐えてるけど、ダウンしてもおかしくないクリーンヒットだよ。もう少し上半身を動かして、サリドのパンチを空振りさせられるといいんだけど。このままじゃ、初戦と同じ展開になっちゃうよ」とファン・マヌエル・ロペスのディフェンスを危惧する管理人。
ファン・マヌエル・ロペスのパンチもオルランド・サリドの顔面にクリーンヒットしているのですが、オルランド・サリドは自分から前に出て、ファン・マヌエル・ロペスを後退させることでパンチの威力を軽減しているようです。どちらが倒れてもおかしくない凄まじいパンチの交換が繰り広げられています。
お互いにスタミナと神経を削る消耗戦が続き、迎えた5ラウンド終盤。試合が大きく動きます。パンチを振り回して攻撃を強めるオルランド・サリドに対して、ファン・マヌエル・ロペスがコンパクトな右フックのカウンターを叩き込み、ダウンを奪います。
「絶妙なカウンター!アゴの先端を打ち抜く右フックだよ」とファン・マヌエル・ロペスのカウンターに拍手を送る管理人。「このままファンマのペースになるかな?」と思ったのですが、6ラウンドに入ると、ダウンを奪われたオルランド・サリドが猛然と襲いかかり、主導権を取り戻そうとします。
「サリドは信じられないタフさだよ。ダウンを奪われたけど、ダメージの蓄積とスタミナの消耗を考えると、ファンマのほうが苦しそうだもん」と「雑草魂」を胸に世界の頂点をつかんだオルランド・サリドの勇敢なボクシングに脱帽する管理人。ハートの強さは、全階級でトップ5に入りますね。
7ラウンドに入ると、執拗に追いかけるオルランド・サリドがファン・マヌエル・ロペスを捕まえ、激しい打ち合いに巻き込みます。どちらのパンチもクリーンヒットしていますが、挑戦者のファン・マヌエル・ロペスのほうが無防備でまともにもらってしまう場面が多いですね。
「ファンマはまともにパンチをもらいすぎちゃってるね。ダメージの蓄積で足に力が入っていないもんな。このままサリドが攻撃を続ければ、ダウンを奪い返すことができるんじゃないかな?」と両者のダメージ比較する管理人。ダメージの蓄積、スタミナの消耗のどちらを取っても、ファン・マヌエル・ロペスが不利になってきました。