西岡利晃選手とノニト・ドネアの試合内容(後編)
夢の頂上対決!西岡利晃とノニト・ドネアの最強決定戦(前編)を読む
ノニト・ドネアの鋭い左アッパーでダウンを奪われた西岡利晃選手。試合再開後、猛然と襲いかかってくるノニト・ドネアに対して、ガードを固めて耐えるだけでなく、ノニト・ドネアのアッパーに合わせて、左ストレートのカウンターを打ち込み、ピンチを脱出しようとします。
「よっしゃ!西岡選手の左も当たってる!ディフェンスだけで耐え抜ける相手じゃないんで、打ち合いは英断だよ!頑張れ、西岡選手!勝負だよ」と身を乗り出して「スピードキング」に声援を送る管理人。
7ラウンドに入ると、試合は一段とヒートアップ!ダウンを奪われた西岡利晃選手が、ある意味、開き直ったかのように距離を詰め、得意の左ストレートを打ち込みます。一方のノニト・ドネアはフットワークを使いながら、カウンターを狙います。
【Photo:The Ring Magazine】
「よし!西岡選手、行けるよ。ジョニー・ゴンサレス戦も先にダウンを奪われたけど、『モンスターレフト』でひっくり返したもん。ポイントは劣勢なはずなんで、打ち倒して勝つしかないよ。右ジャブでタイミングを探って、起死回生の左ストレートを打ち込みたいなあ」と西岡利晃選手の奮起に期待する管理人。
ダウン直後は、パンチを振り回していたノニト・ドネアですが、8ラウンドに入ると、西岡利晃選手に主導権を渡さないよう、再びコンパクトなパンチに切り替え、フットワークを使いながら距離を保とうとします。
ジワリジワリとすり足で距離を詰め、「モンスターレフト」を狙う西岡利晃選手。抜群のステップワークで距離を保ちながら、カウンターを狙うノニト・ドネア。息詰まる攻防が続き、試合は運命の9ラウンドに突入します。
お互いがジャブを突きながら「次のパンチ」を狙う巧妙な駆け引きが続き、迎えた9ラウンド1分30秒。西岡利晃選手がノニト・ドネアをロープに詰め、絶好のチャンスを手にします。
右ジャブを軽く突きながら、左ストレートを打ち込むタイミングを狙う西岡利晃選手。しかし、次の瞬間、リングに崩れ落ちたボクサーは、ロープを背負っていたノニト・ドネアではなく、「モンスターレフト」を狙おうとした西岡利晃選手でした。
西岡利晃選手が左ストレートを打ち込もうとするより一瞬早く、ノニト・ドネアがノーモーションの右ストレートを西岡利晃選手のアゴに叩き込み、西岡利晃選手がダウン!再び西岡利晃選手が尻もちをつきます。
【Photo:The Ring Magazine】
「うそっ!さすがドネアとしか言えないよ。あああ、やばい。西岡選手がフラフラしてる。今回のダウンはダメージがめっちゃ深いよ。続行できないんじゃないかな?」と祈るような気持ちで観戦する管理人。
ダウンから立ち上がった西岡利晃選手は続行を希望。レフェリーも試合を再開しますが、西岡利晃選手のダメージを確認したセコンドがストップを要求し、勝負あり。ノニト・ドネアが西岡利晃選手に9ラウンドTKO勝ちを飾り、「軽量級最強」の実力を証明しました。
【Photo:The Ring Magazine】
視界がぼやけています。言葉が出ません。実力と実績を考えると、西岡利晃選手は間違いなく「日本最強」です。素人の見解ですが、「最終的に勝つ」というゲームプランも間違っていなかったと思います。ノニト・ドネアに勝つための「これしかない作戦」でした。
ダウンを奪われた後の西岡利晃選手の攻撃に「左ストレートが当たるかも」と期待したボクシングファンは管理人だけではなかったと思います。しかし、結果は2度のダウンを奪われる完敗に終わりました。
西岡利晃選手は最後まで美しく、最後まで誇り高かった。しかし、「軽量級最強」のノニト・ドネアが万全のコンディションと完璧なゲームプランを持って「日本最強」の西岡利晃選手の前に立ちはだかった内容でした。何だろう、この虚無感。すごく悔しいなあ。
前人未到の夢舞台にボクシングファンを連れて行ってくれた西岡利晃選手。功績は、時が経つにつれて大きなものになるはずです。日本ボクシングの歴史を動かし続けた「スピードキング」に特大の拍手を!西岡利晃選手の集大成は「新しい希望」と「最強の壁」を感じた記念すべき名勝負でした。
西岡利晃選手とノニト・ドネアの試合結果
試合結果 | ノニト・ドネアが9ラウンド1分54秒TKO勝ちでタイトル防衛に成功。西岡利晃選手は8年ぶりの黒星でタイトル奪取ならず。 |