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ファン・マヌエル・ロペス

1ラウンドKOを重ねて頂点へたどり着いたプエルトリコの小さな強打者

ファン・マヌエル・ロペスは強打を武器に世界の頂点へ駆け上がったプエルトリコ出身のサウスポー。特筆すべきはKO率の高さです。軽量級にも関わらず、9割近いKO率を誇るボクシング界屈指のKOアーティストなんです。

ワンパンチでKOすることも、連打でKOすることもできる万能型ボクサーで「相手の急所をひたすら打つ」というボクシングの最も基本的な戦略を実行できる能力が大きな魅力ですね。

ボクシングでは「相手の急所をひたすら打つ」という最も基本的な作業が最も難しいわけですが、ファン・マヌエル・ロペスはいとも簡単にその作業をこなしてしまうんです。相手ボクサーをよく見ながら戦っていないと、できない作業ですね。

ファン・マヌエル・ロペスは、2004年のアテネオリンピック出場後、プロへ転向。2006年9月に、空位のWBOラテンアメリカ・スーパーバンタム級タイトル獲得し、2008年6月、念願の世界タイトル挑戦の機会を手に入れます。チャンピオンは、メキシコ出身が誇る強打のダニエル・ポンセ・デ・レオンです。

激しい打ち合いになると予想された強打者同士の一戦でしたが、蓋を開けてみれば、ファン・マヌエル・ロペスがダニエル・ポンセ・デ・レオンに1ラウンドKO勝ちの完勝で、悲願の世界タイトルを奪取。この勝利で、ファン・マヌエル・ロペスはアテネオリンピックに出場したボクサーの世界チャンピオン第一号になりました。

ファン・マヌエル・ロペス対ダニエル・ポンセ・デ・レオンは「衝撃を受けた2008年のベストマッチTOP10」に入ります。ダニエル・ポンセ・デ・レオンに何もさせず、完璧な1ラウンドKO勝ちですからね。

世界タイトルを獲得後、ファン・マヌエル・ロペスは2008年に2度の防衛戦を行い、いずれも1ラウンドKO勝ちでタイトル防衛に成功。パンチ力、パンチのキレ、当て勘、すべてを兼ね備えたボクサーであることを証明した一年でした。

2009年に入り、フィリピン出身のジェリー・ペニャロサに9ラウンド終了TKO勝ち、無敗挑戦者のオリビエ・ロンチにも9ラウンド終了TKO勝ちで防衛回数を4に伸ばし、迎えた5度目の防衛戦。タンザニア出身のロジャース・ムタガがファン・マヌエル・ロペスを苦しめます。

序盤からファン・マヌエル・ロペスの強打がロジャース・ムタガにクリーンヒットしますが、タフなロジャース・ムタガが耐えながら相打ちを狙って耐久戦に持ち込む衝撃の作戦を実行。ファン・マヌエル・ロペスはフラフラになり、ストップ寸前まで追い込まれますが、何とか持ちこたえ、12ラウンド判定勝ちで5度目のタイトル防衛に成功します。

大苦戦の後、ファン・マヌエル・ロペスは2階級制覇を目指すため、スーパーバンタム級のタイトルを返上。2010年1月、スティーブン・ルエバノが持つWBO世界フェザー級タイトルに挑戦します。結果は、7ラウンドTKO勝ちで2階級制覇に成功。ファン・マヌエル・ロペスの強打が火を噴いた圧巻の内容でした。

2010年11月には、メキシコが誇る強打者のラファエル・マルケスと激突。ラファエル・マルケスの強打に苦しむ場面もありましたが、結果は、8ラウンド終了TKO勝ちで防衛に成功。ファン・マヌエル・ロペスがパワーでラファエル・マルケスを押し切った試合でした。

ラファエル・マルケスを撃破したことで、世界中のボクシングファンからユリオルキス・ガンボアとの統一戦を期待する声が日に日に高まり、2011年は「軽量級最強を決める全勝チャンピオン対決」が実現する勝負の一年になると思われました。

ところが、2011年4月に行われた3度目の防衛戦で、オルランド・サリドにまさかの8ラウンドTKO負け。プロで11敗を喫している「叩き上げ」のオルランド・サリドのペースに巻き込まれ、5ラウンドに強烈なダウンを奪われた末のプロ初黒星でした。

デビューからの連勝が30でストップしたファン・マヌエル・ロペスは半年の休養を経て、2011年10月、マイク・オリバー戦でリングに復帰。スピードとキレがなく、アンバランスがボクシングが目立ちましたが、結果は2ラウンドTKO勝ちで再起戦に勝利します。

再起を果たして迎えた2012年3月。奪われたタイトルを奪還するため、プロ初黒星を喫した因縁の相手、オルランド・サリドと再び拳を交えます。しかし、結果は、無念の10ラウンドTKO負け。ボクシングの歴史に残る壮絶な打撃戦の末、宿敵に連敗を喫してしまいます。

リベンジに失敗したファン・マヌエル・ロペスは試合後、レフェリーのロベルト・ラミレス・シニアに暴言を吐いて、1年の出場停止処分、1万ドルの罰金、100時間の社会奉仕活動という大きな代償を払ってしまいます。後日、正式に謝罪を表明しましたが、自らの愚行で、しばらくリングから遠のくことを余儀なくされてしまいました。

長くリングを離れることになったファン・マヌエル・ロペスは2013年2月に再起戦を行い、9ラウンドTKO勝ちで勝利。2013年4月の再起第2戦もクリアし、2013年6月、若きスーパースターのミゲール・ガルシアが持つWBO世界フェザー級タイトルに挑戦します。

ミゲール・ガルシアが計量をクリアできないアクシデントを受け入れ、タイトル奪取を狙ったファン・マヌエル・ロペスですが、結果は無念の4ラウンドTKO負け。2度のダウンを奪われる完敗で、自らが持っていた世界タイトルを奪還することはできませんでした。

不本意な負けを喫したファン・マヌエル・ロペスは2014年3月、母国プエルトリコにダニエル・ポンセ・デ・レオンを迎えて6年ぶりの再戦を行います。結果は、2ラウンド逆転TKO勝ち。先にダウンを奪われたファン・マヌエル・ロペスですが、得意の右フックでダウンを奪い返し、ダニエル・ポンセ・デ・レオンに連勝を飾り、復活をアピールしました。

王座返り咲きを目指すファン・マヌエル・ロペスは2014年7月、無敗のフランシスコ・バルガスと激突します。序盤から激しい打撃戦となりますが、結果は3ラウンド終了TKO負け。フランシスコ・バルガスのパワーに押し込まれ、打ち負けてしまった無念の黒星でした。

世界中のボクシングファンから愛される超攻撃的なスタイルを貫き、2階級制覇を成し遂げたファン・マヌエル・ロペス。苦難の時を切り抜け、再び世界チャンピオンに返り咲くことができるでしょうか?絶大な人気を誇る小さな強打者のカムバックに期待しましょう。

ファン・マヌエル・ロペスのプロフィール

ニックネーム ファンマ
誕生日 1983年8月30日
戦績 38戦34勝31KO4敗
獲得タイトル
  • WBO世界スーパーバンタム級タイトル
  • WBO世界フェザー級タイトル
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