ルシアン・ビュテの真価が問われる防衛戦!全勝王者の実力は本物か?
IBF世界スーパーミドル級タイトルを9度防衛している全勝チャンピオンのルシアン・ビュテ。ルーマニアで生まれ、主戦場のカナダで絶大な人気を誇るサウスポーが、5月26日(日本時間5月27日)、アウェイのイギリスへ乗り込み、「コブラ」のニックネームを持つカール・フロッチと激突することが決まりました。
激戦区の世界タイトルを9度連続防衛中のルシアン・ビュテと「スーパーシックス」で準優勝を飾ったカール・フロッチ。ナイス、マッチメイクです!正反対の特徴を持つスーパースターの対決に心が躍りますね。
長いリーチと懐の深さを生かしたボクシングを得意とするサウスポーのルシアン・ビュテは、タイミング抜群のカウンターを武器に、激戦区のスーパーミドル級で4年以上も王座に君臨するテクニシャン。一方、挑戦者のカール・フロッチは2度の世界タイトル獲得経験を持つタフなファイターです。
ルシアン・ビュテ対カール・フロッチは「スーパーミドル級最強」を決める「スーパーシックス・トーナメント」に参戦せず、独自路線で防衛を重ねるルシアン・ビュテの実力がどれほどのものなのかを見極める絶好のチャンスだと思います。
【Photo:The Ring Magazine】
全勝のルシアン・ビュテに対して、カール・フロッチは2敗を喫しています。しかし、黒星を喫した相手は、ミッケル・ケスラーとアンドレ・ウォード。しかも、どちらも敵地で喫した敗北です。「スーパーミドル級最強」の呼び声が高いアンドレ・ウォードとミッケル・ケスラーの実力を考えると、管理人は「誇り高き敗北」だと思います。
ここからは管理人の勝手な予想ですが、ルシアン・ビュテが防衛戦で戦った対戦相手と、カール・フロッチが戦ってきた対戦相手を比較すると、管理人はカール・フロッチのほうが格段に強い相手と戦っていると思います。ここだけの話ですが、管理人の評価はルシアン・ビュテよりカール・フロッチのほうが高いんです。
しかも、ルシアン・ビュテ対カール・フロッチの舞台は、カール・フロッチが生まれたイギリス。ルシアン・ビュテにとって、2004年11月以来のアウェイ開催の試合です。ボクシングの相性を考えると、「ルシアン・ビュテが有利」だと思いますが、カール・フロッチの強打にルシアン・ビュテが沈む可能性も十分ありますね。
ルシアン・ビュテはカウンターを得意とするテクニシャンですが、パワフルなボクシングを得意とするエネルギッシュなボクサーに弱いところがあるので、カール・フロッチが序盤で波に乗る展開だと、脅威ですよ。もしカール・フロッチが伸び伸びと戦うことができれば、劇的な王座交代劇が訪れる可能性が高いと思います。
全勝チャンピオンにとって、不安要素が多い10回目の防衛戦。しかし、ルシアン・ビュテは初めての敵地防衛戦を楽しみにしているようです。「10度目の防衛を達成できるよう、とても厳しいトレーニングを重ねているんだ。5月26日のフロッチ戦は、ボクシングファンが熱狂する試合になると思うよ」と「The Ring Magazine」の公式サイトで語っています。
一方、全勝チャンピオンに挑戦するカール・フロッチは「母国のイギリスで王座返り咲きのチャンスを手にできて夢のようだ。『スーパーシックス』は自分を成長させてくれる、すばらしい旅だった。そこで培った実力と経験をファンの前で証明する。戦う準備はできてるぜ。イギリスでKOしてカナダに送り返してやる!」と母国開催の世界戦を前に気合い十分です。
ルシアン・ビュテとカール・フロッチの対決で幕を開ける「スーパーミドル級スーパースターウォーズ」。抜群のタイミングで放たれるルシアン・ビュテのカウンターが炸裂するのでしょうか?それとも、カール・フロッチの強打がイギリスのファンを熱狂の渦に包むのでしょうか?全勝チャンピオンにとって最も危険なビッグマッチです!