フェザー級10回戦
元2階級制覇 チャンピオン |
長谷川穂積(日本) 戦績:34勝30勝13KO4敗 |
WBC世界スーパー バンタム級18位 |
アルツロ・サントス(メキシコ) 戦績:14戦12勝4KO2敗 |
長谷川穂積選手とアルツロ・サントスの試合内容
2階級制覇の実績を誇る長谷川穂積選手が8か月ぶりのリングに帰ってきました。3階級制覇を視野に入れた世界前哨戦でメキシコのアルツロ・サントスと激突です。「原点回帰」を宣言している長谷川穂積選手のボクシングに注目ですね。
試合は、左ジャブを突きながら距離を確認し、右ストレートを打ち込もうとするアルツロ・サントスに対して、長谷川穂積選手が距離を取りながら左ストレートのカウンターを上下に打ち分ける展開で始まります。お互いに相手の戦力を分析しながら戦っている印象です。
2ラウンドに入ると、アルツロ・サントスがプレッシャーを強めます。アルツロ・サントスはサウスポーの長谷川穂積選手の右足の外側に踏み込み、右ストレートを狙っているようです。リズムに乗ると手数が増えるタイプなので、長谷川穂積選手は主導権を渡さないようパンチを出して応戦していますね。
3ラウンドに入ると、今度は長谷川穂積選手が手数を増やして、アルツロ・サントスを後退させます。右ジャブを2連打して相手を下がらせ、踏み込んで左ストレートを打ち込む長谷川穂積選手の持ち味が出ていますね。
「おおお!長谷川選手は相手を下がらせると、やっぱり強いなあ。踏み込みの速さはさすがだよ。このまま手数を増やして自分から攻めるボクシングを続けると、主導権を奪えそうだぞ」と長谷川穂積選手のボクシングに拍手を送る管理人。
4ラウンド残り1分には、長谷川穂積選手がロープを背負いながらアルツロ・サントスを呼び込んで、強烈な左フックのカウンターをアルツロ・サントスの顔面へ叩き込みます。長谷川穂積選手はアルツロ・サントスのパンチやスピードを完全にインプットしたようです。
6ラウンドに入ると、アルツロ・サントスが勝負を仕掛け、長谷川穂積選手をロープに押し込んでパンチを連打。一方の長谷川穂積選手は久しぶりの試合の感触を確かめるように、ロープを背負って勝負します。
試合終盤は、長谷川穂積選手がアルツロ・サントスに攻めさせるような展開が続き、10ラウンド終了のゴング。判定の結果、長谷川穂積選手がアルツロ・サントスに判定勝ちを飾り、世界前哨戦をクリアしました。
ひとつひとつ確かめながら戦っている長谷川穂積選手の姿が印象的な試合でしたね。ボディーワークで相手の攻撃をよけたり、ガードを固めて相手の打ち終わりを待って連打したり、打ち合ったりと「いろいろな課題を持って試合にのぞんでいるんだなあ」と実感した世界前哨戦でした。
さて、気になる長谷川穂積選手の世界戦ですが、スーパーバンタム級とフェザー級の両階級を視野に入れているようです。スーパーバンタム級は全17階級屈指の激戦区で、すばらしいボクサーが集まっているので、個人的に「スーパーバンタム級で戦ってほしいなあ」と期待しています。
スーパーバンタム級はWBAスーパー王者にギジェルモ・リゴンドー、WBC王者にアブネル・マレス、WBO王者にノニト・ドネアが君臨。「ビッグ3」は人気と実力を兼ね備えたボクサーなので、実現するとしたらアメリカ開催になりそうですね。
IBFが空位なので「JBCがIBFとWBOを認可してくれたら、IBFのタイトルに挑戦もありじゃない?まずは世界チャンピオンに返り咲いて、将来的に『ビッグ3』と統一戦ができたら最高なんだけどなあ」と密かに期待しています。
フェザー級なら、WBC王者のダニエル・ポンセ・デ・レオンがターゲットになるでしょうか?サウスポーの強打者ですが、長谷川穂積選手が本来の手数とスピードで勝負できれば、ボクシングの相性は悪くないと思います。同じ意味で、IBF王者のビリー・ディブもターゲットになりそうですね。
WBAスーパー王者のクリス・ジョンは、敵地インドネシア開催になりそうなので「無理して戦う必要はないんじゃないかな?」と思っています。対戦することができれば、十分に勝つチャンスはあると思いますが、クリス・ジョンは特に交渉が大変ですからね。
一方、WBO王者のオルランド・サリドは最もリスクが高そうな気がします。叩き上げの代表格で、我慢比べにめっぽう強いですからね。「絶対に名勝負になると思うけど、怖いなあ」というのが率直な意見です。
日本中のボクシングファンが期待する世界前哨戦をクリアした長谷川穂積選手。2013年は勝負の1年になりそうですね。「どの階級で、誰のベルトに挑戦するのか」今から本当に楽しみです!帰ってきた「日本のエース」に期待しましょう。
長谷川穂積選手とアルツロ・サントスの試合結果
試合結果 | 長谷川穂積選手が10ラウンド判定勝ちで世界前哨戦に勝利。 【公式ジャッジの採点結果】
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