フロイド・メイウェザーがドメスティック・バイオレンスの罪で収監へ
2012年6月1日(日本時間6月2日)、ボクシング史上ただひとり全勝で5階級制覇を成し遂げた「天才」フロイド・メイウェザーがドメスティック・バイオレンスの罪を償うため、刑務所に収監されました。予定される刑期は87日。償いの日々は「天才」フロイド・メイウェザーにどのような影響を与えるのでしょうか?
【Photo:Yahoo! Sports】
ボクシングの歴史で、トップ戦線で活躍するボクサーが収監された例は過去に何度かあります。管理人の知る限り、収監が最も大きな話題となったボクサーは、ボクシング史上最年少でヘビー級タイトルを獲得しながら、栄光と挫折を繰り返したマイク・タイソンだと思います。
マイク・タイソンをはじめ、刑務所で罪を償ったボクサーのほとんどが釈放後、トップコンディションを維持できないまま再起戦を行いました。ここで意味する「トップコンディション」は、フィジカルだけでなく、メンタルも含んでいます。
【Photo:The Ring Magazine】
2009年に逮捕され、銃器の不法所持で約2年の収監を経験したジェームス・カークランドは「Ring Magazine」の公式サイトで「刑務所の生活はこれまでと大きく違う。厳しい練習で知られるメイウェザーだけど、刑務所では彼の好きなタイミングで練習できない。これは彼にとってストレスだろうね。彼のボクシングに大きな影響はないかもしれないけど、涙を流して、同じ過ちを繰り返さないと自分に言い聞かせるかもしれないな」と語りました。
ジェームス・カークランドと言えば、オスカー・デラホーヤ率いるゴールデン・ボーイプロモーションズが「将来の世界チャンピオン」として期待する逸材です。しかし、2年のブランクの影響か、日本の石田順裕選手に衝撃の1ラウンドTKO負けを喫した苦い過去があります。
もちろん、ブランクの影響とだけ判断することはできません。しかし、ジェームス・カークランドが「刑務所の生活ですべてを失った」と表現したように「世界と遮断され、家族や友人と過ごすことができない生活」がフィジカルとメンタルに何かしらの影響を与えた可能性は否定できないと思います。
【Photo:The Ring Magazine】
一方、プロボクサーになる前、傷害と銃器の不法所持で5年の収監経験を持つバーナード・ホプキンスは「断言してもいい。収監がメイウェザーに影響を与えることなんてないよ。あいつはセレブリティで自分のスタイルを確立しているからな。オレは刑務所の生活で人生に必要な忍耐を学んだ。メイウェザーがオレと同じように何かを学ぶことを期待するよ」と語りました。
フロイド・メイウェザーの収監期間は、マイク・タイソンやバーナード・ホプキンス、ジェームス・カークランドのように年単位ではなく、87日です。収監期間の短さは「コンディション維持」という意味において「プロボクサー」フロイド・メイウェザーの人生を大きく左右するかもしれません。
フロイド・メイウェザーは過激な発言や行動とは裏腹に、ハードな練習で自信を積み上げていくタイプのボクサーです。だからこそ、メンタルのダメージさえ回避できれば、フィジカルの問題はクリアできると期待しています。世界中のボクシングファンが心待ちにするマニー・パッキャオ戦の実現へ。大きな転機を迎えた「天才」の復活を待ちましょう。
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