ボクシングファンが選ぶ2014年の最も感動した瞬間はバーナード・ホプキンスの英断
世界中にたくさんの感動を届けてくれるボクシング。2014年も心に残る名シーンが続出しました。正直なところ、2013年に比べてビッグマッチの数は減った印象です。でも、感動の名場面はたくさんありました。個人的に、ベテランの活躍、ベテランの復活に心を打たれた2014年でした。
フロイド・メイウェザーの新たなる挑戦。マニー・パッキャオの完全復活。カール・フロッチの劇的なKO勝利。まばゆい輝きを放ったベテランが目立った一方、偉大な挑戦の結果、タイトルを失ったベテランもいました。49歳の「エイリアン」バーナード・ホプキンス。管理人が選んだ「2014年のボクシングで最も感動した瞬間」は「ホプキンスがボクシング史上最高の決断を下した瞬間」です。
2014年4月、当時のIBF世界ライトヘビー級チャンピオンだったバーナード・ホプキンスは、WBAチャンピオンに君臨していたベイブト・シュメノフと王座統一戦を行い、12ラウンド判定勝ち。ボクシング史上最年長となる49歳の統一チャンピオンが誕生しました。バーナード・ホプキンスがベイブト・シュメノフからダウンを奪った11ラウンドの右ストレートは会心の一撃でしたね。
【ボクシング史上最高の英断!バーナード・ホプキンスに激しく感動です】
ボクシング史上最年長の統一チャンピオンが誕生した瞬間「うわっ、すげえ!最初で最後の50歳の世界チャンピオンが誕生するよ」と思いました。2015年1月、バーナード・ホプキンスは50回目の誕生日を迎えます。ベイブト・シュメノフに勝った瞬間、バーナード・ホプキンスは防衛戦を行わずに50歳の誕生日を世界チャンピオンとして迎える権利を手に入れたのです。
試合後、バーナード・ホプキンスは「WBCチャンピオンのアドニス・スティーブンソン、WBOチャンピオンのセルゲイ・コバレフとも王座統一戦をしたい。50歳で4団体のベルトをすべて統一することが目標だ」と衝撃のアピール。素人ファンは「4本全部って!2本のベルトを統一するだけでも大偉業だよ。見ている景色が違うなあ。スーパースター目線、すげえ!」と激しく驚きました。
バーナード・ホプキンスが「グランドスラム」を宣言したことで、49歳の秋に王座統一戦を行うプランが浮上。7か月後の2014年11月、バーナード・ホプキンスは3本目のベルトの統一を目指し、セルゲイ・コバレフと同じリングに立っていました。結果は、ボクシングファンの皆さんがご存知のとおりです。バーナード・ホプキンスの野望は砕け散り、2本のベルトは手元から離れてしまいました。
夢と希望に満ちあふれた「最高のプロフェッショナル」バーナード・ホプキンス
管理人は、仕事の世界で使われる「プロ」という言葉が好きではありません。理由は、アメリカでは「不本意な仕事をさせるため」に、日本では「弱い立場の労働力をこき使わうため」に「安売りされ、都合よく使われる」からです。しかも「プロ、プロ、プロ、プロ」と連呼する人たちに限って「情熱が足りない」という残念な傾向があるので「また?」とうんざりしてしまいます。
本来「プロ」は、もっと特別な意味を持つ存在であり、言葉のはずです。夢や希望を与えない「プロ」は使っちゃダメなんじゃないかな?一方「自動的な偉業達成」を放棄し、挑戦を選んだバーナード・ホプキンスは夢と希望に満ちあふれた「最高のプロフェッショナル」です。もしかすると、100年以上の歴史を持つボクシングで「最も誇り高く、最も美しい英断」だったかもしれません。
49歳のバーナード・ホプキンスは「今と1年後の違い」を誰よりも理解しているボクサーだと思うんです。だからこそ、49歳のうちに「ライトヘビー級最強」の呼び声が高いセルゲイ・コバレフと戦いたかったんじゃないかな?2014年11月「エイリアンの野望」は砕け散ってしまいました。でも、50歳の世界チャンピオンが誕生する可能性が消えたわけではありません。
唯一無二の挑戦を貫き、世界中のファンに夢と希望を届けてくれた「戦う伝説」バーナード・ホプキンス。「メイウェザーがダース・ベイダーなら、ホプキンスはバットマンなのかもしれないね。最強のヒールであり、最高のヒーローにもなれる特別な存在だよ」と特大の拍手を送った感動の瞬間でした。2015年は「ダークナイト」バーナード・ホプキンスの復活に期待です!