WBO世界スーパーライト級タイトルマッチ
チャンピオン | ティモシー・ブラッドリー(アメリカ) 戦績:24戦全勝11KO |
挑戦者 | ネート・キャンベル(アメリカ) 戦績:39戦33勝25KO5敗1分 |
試合内容
全勝チャンピオンのティモシー・ブラッドリーが、元3団体統一世界ライト級チャンピオンのネート・キャンベルと拳を交えます。ティモシー・ブラッドリーは小柄ながら、体重をのせてパンチを打ち込むボクシングで全勝街道を突っ走る攻撃的なファイター。
2008年5月、ジュニア・ウィッターに12ラウンド判定勝ちでWBCタイトル獲得し、2009年4月には、WBO王者ケンドール・ホルトと統一戦を行い、12ラウンド判定勝ちを収め、タイトルを統一するなど勢いがあります(その後、指名試合を拒否したため、WBCタイトルは剥奪)。
一方のネート・キャンベルは、2008年3月、当時の3団体統一世界ライト級チャンピオン、ファン・ディアスに12ラウンド判定勝ちを収め、一気に3本のベルトを獲得。しかし、アリ・フネカ戦の減量失敗でタイトルを失い、今回、減量苦から階級を上げて2階級制覇に挑戦します。
25歳のティモシー・ブラッドリーが若さを前面に押し出したボクシングで一気にペースを握るのか?それとも、37歳のネート・キャンベルが老獪なボクシングでティモシー・ブラッドリーの良さを消し去るのか?注目の新旧対決です。
試合は立ち上がりから両者が積極的に打ち合う予想通りの展開。チャンピオンのティモシー・ブラッドリーは手数が多く、小気味良いボクシングですね。一方のネート・キャンベルは左ジャブを突きながら右の大砲を狙っています。両者の距離が違うので、ネート・キャンベルが長いリーチをかいくぐって、ティモシー・ブラッドリーが懐に入れるかどうかがポイントになりそうです。
2ラウンドに入ると、ティモシー・ブラッドリーが回転の速い左ジャブを連打しながらネート・キャンベルの懐で勝負しようとしますが、ネート・キャンベルがパンチをブロックし、体格を活かしてロープへ押し込みます。ティモシー・ブラッドリーはかなり手を出しているので、ネート・キャンベルがどこまで耐えられるか見ものですね。
3ラウンド開始直後、前へ出るティモシー・ブラッドリーの頭がネート・キャンベルの顔面にぶつかり、ネート・キャンベルが眉間をカット!ティモシー・ブラッドリーはそのままネート・キャンベルをコーナーへ押し込んで連打します。ティモシー・ブラッドリーは前へ出ると本当に迫力があります。168センチの小さな体が大きく見えますね。
ラウンド終盤にも、ティモシー・ブラッドリーがネート・キャンベルをロープへ押し込み、左右のフックを連打!そして、強烈な右フックがネート・キャンベルのテンプルをとらえ、一瞬、ネート・キャンベルの動きが止まります。ティモシー・ブラッドリーのパンチは破壊力がありますね。
「いい試合になってきたな」とテンションが上がる管理人。ところが、3ラウンド終了後、突然レフェリーが試合をストップします。ネート・キャンベルの眉間のキズが深く、レフェリーは試合続行不可能と判断したようです。「バッティングによる試合続行不可能なので、負傷引き分けかな」と思っていると、レフェリーはパンチによるカットと判断し、ティモシー・ブラッドリーのTKO勝ちを宣言します。
「えええ、ネート・キャンベルが気の毒だよ」と思わず同情してしまう管理人。ネート・キャンベル陣営の抗議の結果、試合から3週間後、ティモシー・ブラッドリーのTKO勝ちは取り消され、無効試合になったそうです。おもしろい試合内容だっただけに、もう一度観たい試合ですね。
試合結果
試合結果 | ネート・キャンベルがバッティングによる負傷で試合続行不可能となり、負傷引き分けとなりました。 |