WBC・WBO世界ミドル級タイトルマッチ

試合内容

WBC・WBO世界ミドル級チャンピオンのケリー・パブリックが地元オハイオにメキシコ出身の強打者、マルコ・アントニオ・ルビオを迎えて2度目の防衛戦を行います。2008年10月、元4団体統一世界ミドル級チャンピオンのバーナード・ホプキンスにライトヘビー級ノンタイトルマッチでプロ初黒星を喫したケリー・パブリック。再起戦となる今回の防衛戦で、どんなボクシングをみせてくれるのか、注目です。

試合は立ち上がりからケリー・パブリックがKOを狙ってパンチを打ち込む予想通りの展開。チャンピオンのケリー・パブリックは、同じ強打者のマルコ・アントニオ・ルビオに対して、左ジャブで突き放し、強烈な右ストレートを打ち込み、試合の主導権を握ります。マルコ・アントニオ・ルビオはガードを固めて攻撃をしのぐのが精一杯です。

ケリー・パブリック、マルコ・アントニオ・ルビオともに中間距離の打ち合いを得意とする攻撃的なボクサー。しかし、身長、リーチ、パンチ力で上回るケリー・パブリックが試合を有利に進めています。バーナード・ホプキンスには、老獪なボクシングで上手くかわされたケリー・パブリックですが、同じタイプのボクサーと打ち合うと、圧倒的な力を発揮しますね。これまで対戦相手を打ち倒してきたマルコ・アントニオ・ルビオが防戦一方です。

「パブリックはガードの上からでも構わずパンチを打つボクサーなんで、このままルビオがガードを固めたままだと、ガードの上からパンチを効かされちゃうかも」と防戦一方のマルコ・アントニオ・ルビオを心配する管理人。3ラウンドに入ると、マルコ・アントニオ・ルビオが左ジャブから右ストレートのコンビネーションを打ち込みますが、ケリー・パブリックが丁寧にブロックして、左ボディーブローと右ストレートで反撃！

この試合のケリー・パブリックは体のバランスとディフェンスを大事に戦っている印象です。パンチを打ち終わると、マルコ・アントニオ・ルビオの反撃をもらわないように、すぐにガードを固めて戦っていますね。確かに、ケリー・パブリックのボクシングは「左ジャブ、左ジャブ、右ストレート」という分かりやすいボクシングなので、バーナード・ホプキンスのようなスピード、スタミナ、ディフェンス力を兼ね備えたボクサーと戦うと、空回りやすいのかもしれませんが、型にはまった時の破壊力はすさまじいです。

試合は圧倒的なケリー・パブリックのペースで進み、攻撃力のあるマルコ・アントニオ・ルビオが全く前へ出ることができません。ケリー・パブリックと対峙すると、ものすごいプレッシャーを感じるんでしょうね。8ラウンドには、ケリー・パブリックがマルコ・アントニオ・ルビオをロープに詰めて、得意の右ストレートをテンプルへ打ち込み、マルコ・アントニオ・ルビオが吹っ飛びます。すさまじいパンチ力ですね。

9ラウンドに入ると、ケリー・パブリックが左ジャブでマルコ・アントニオ・ルビオを突き放し、得意の右ストレートを連打！マルコ・アントニオ・ルビオはガードを固めていますが、ガードの上から効いている感じです。そして、ラウンドの終了間際には、強烈な左ボディーブローを叩き込み、マルコ・アントニオ・ルビオの体が「くの字」に曲がります。

「うわ、ものすごいボディーブロー！ルビオは上も下もダメージが深いんで、反撃する力が残っていないんじゃないかな？」と思っていると、マルコ・アントニオ・ルビオ陣営が9ラウンド終了時点で試合をギブアップ。ケリー・パブリックが完璧な内容で再起戦に快勝し、タイトル防衛に成功しました。

ケリー・パブリック、めちゃめちゃ強かったですね。この試合を観る限り、バーナード・ホプキンス戦の黒星の影響はなかった気がします。「剛と剛」の戦いなら、ミドル級でケリー・パブリックに勝てるボクサーはいないんじゃないでしょうか？もし可能性があるとすれば、IBF世界ミドル級チャンピオンのアルツール・アブラハムだと思うのですが、ケリー・パブリックとアルツール・アブラハムの統一戦実現にはもう少し時間がかかるようです。早く実現しないかな。

試合結果