WBC世界ライトヘビー級タイトルマッチ
チャンピオン | ジャン・パスカル(ハイチ) 戦績:25戦24勝16KO1敗 |
挑戦者 | アドリアン・ディアコヌ(ルーマニア) 戦績:27戦16勝15KO1敗 |
試合内容
WBC世界ライトヘビー級チャンピオンのジャン・パスカルが、前WBC世界ライトヘビー級チャンピオンのアドリアン・ディアコヌと再び拳を交える因縁の再戦です。カナダを拠点に戦う人気ボクサー同士の楽しみなリマッチですね。2009年6月に行われた初対決では、挑戦者のジャン・パスカルが、チャンピオンのアドリアン・ディアコヌをスピードで圧倒し、世界タイトルを奪取しました。今回の再戦はどんな結末が待っているでしょうか?
試合は立ち上がりからチャンピオン、ジャン・パスカルのペースで進みます。前回の対戦と同様、ジャン・パスカルは左ジャブを突きながらジャン・パスカルが入ってきたところへ強烈な左フック、右ストレートを打ち込み、自分の距離を保つ理想的なボクシングを展開します。
「パスカルは自信満々だよ。ディアコヌは何とかパスカルのフットワークを止めて打ち合いに持ち込まないと、前回と同じ結果になっちゃうよ」というのが1ラウンドを観た管理人の率直な感想です。ジャン・パスカルの持ち味であるスピード、フットワークが、アドリアン・ディアコヌの力強いボクシングを封じ込めています。
試合が大きく動いたのは3ラウンド。終了間際、ジャン・パスカルがアドリアン・ディアコヌをロープへ詰めて顔面、ボディーへパンチを連打します。ところが、ラウンド終了のゴングが鳴り、苦悶の表情を浮かべながらコーナーへ帰ったのはチャンピオンのジャン・パスカルでした。
「あれ?パスカルはどこか痛めたんじゃない?」とジャン・パスカルの状態を心配する管理人。4ラウンドに入ると、これまで試合を優位に進めてきたジャン・パスカルの手数が極端に減り、防戦一方になるシーンが増えます。4ラウンドに放ったジャン・パスカルのパンチは、ほとんどが左ジャブか左フックで、右のパンチはほとんど打っていません。ジャン・パスカルは右肩か、右の拳に故障を抱えているようです。
チャンピオンのジャン・パスカルがトラブルを抱えたことで、大きなチャンスが巡ってきた挑戦者のアドリアン・ディアコヌ。左右のフックを中心に、力強いパンチをジャン・パスカルの顔面、ボディーへ叩き込もうとしますが、チャンピオンのジャン・パスカルはボディーワークとガードを使って何とかクリーンヒットを逃れます。
「ディアコヌはもう少し強引に行きたいなあ。体ごとロープに押し込めて足を止めれば、一気に試合の主導権を握ることができるのになあ」とアドリアン・ディアコヌの反撃に期待する管理人。10ラウンド終了間際には、ジャン・パスカルが右肩をかばいながら苦悶の表情を浮かべ、アドリアン・ディアコヌにしがみついてクリンチし、何とか攻撃から逃れようとするシーンも!ジャン・パスカルは右肩を脱臼したか、痛めたか、右肩にトラブルを抱えているようです。
「パスカルは本当に苦しそうだよ。ディアコヌがパスカルをロープに詰めて連打すれば、レフェリーストップになるんじゃない?」と思ったのですが、チャンピオンのジャン・パスカルは右肩を痛めながらも左ジャブでアドリアン・ディアコヌの突進を止め、飛び込んできたところへ左フックのカウンターでダメージを与えます。
「パスカル、すげえ」と思わず口にする管理人。その後もジャン・パスカルは右肩をかばいながら、アドリアン・ディアコヌの攻撃をしのぎ、12ラウンド終了のゴングが鳴り響きます。結果は3-0の判定で、ジャン・パスカルがアドリアン・ディアコヌに勝利。ジャン・パスカルがアクシデントを乗り越え、2度目のタイトル防衛に成功しました。
ジャン・パスカルのテクニックがアドリアン・ディアコヌの馬力を封じ込めた試合でした。ジャン・パスカルは右肩にトラブルを抱えながら、見事な左ジャブとボディーワークで試合の主導権を渡しませんでしたね。一方のアドリアン・ディアコヌにとっては悔いの残る試合になりそうです。4ラウンド、5ラウンドでもっと攻撃に出てダメージを与えることができたら、チャンピオンベルトを取り戻していたかもしれません。
ジャン・パスカルはタイトルを奪取したアドリアン・ディアコヌとの初戦、初防衛を果たしたシルビオ・ブランコ戦、そして、今回のアドリアン・ディアコヌとの再戦、3試合すべてでスピード勝ちし、相手のボクシングを完全に封じ込めています。ライトヘビー級でジャン・パスカルのスピードについて行けるボクサーは、WBC暫定世界ライトヘビー級チャンピオンのチャド・ドーソンだけではないでしょうか?もし「スピードスター対決」が実現すれば、めちゃめちゃ盛り上がりそうですね。実現してほしいなあ。
試合結果
試合結果 | ジャン・パスカルが判定勝ちでアドリアン・ディアコヌとの再戦に勝利。管理人の採点は117-111でジャン・パスカルの勝ちでした。 【公式ジャッジの採点結果】
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