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デボン・アレキサンダーとティモシー・ブラッドリーの王座統一戦

WBC・WBO世界スーパーライト級王座統一戦

WBCチャンピオン デボン・アレキサンダー(アメリカ)
戦績:21戦全勝13KO
WBOチャンピオン ティモシー・ブラッドリー(アメリカ)
戦績:27戦26勝11KO1無効試合

試合内容

サウスポーから繰り出される鋭いパンチと対戦相手を混乱に陥れるスピードで全勝の快進撃を続けるWBCチャンピオンのデボン・アレキサンダーと、打ち出したら止まらない連打と巧みなディフェンスで無敗を誇るWBOチャンピオンのティモシー・ブラッドリーが王座統一をかけて拳を交えます。

デボン・アレキサンダーもティモシー・ブラッドリーもボクシング最激戦区のスーパーライト級で頂点に立つチャンピオン。世界中のボクシングファンが注目する大一番で勝利を手にして、さらなるビッグマッチ、そしてスーパースターの階段を駆け上がるボクサーはデボン・アレキサンダーでしょうか?それともティモシー・ブラッドリーでしょうか?

試合は右ジャブを突きながら距離を保ち、左ストレート、右フックを狙うWBCチャンピオンのデボン・アレキサンダーに対して、WBOチャンピオンのティモシー・ブラッドリーが左ジャブでけん制してプレッシャーをかけながら、右ストレート、左右のフックを狙う展開で始まります。

どちらも手数が多く、好勝負になりそうな雰囲気が漂い始めた1ラウンド残り40秒、ティモシー・ブラッドリーがデボン・アレキサンダーをロープへ詰めて左右のフックを連打!デボン・アレキサンダーはガードとボディーワークで直撃を避けましたが、打ち出したら止まらないティモシー・ブラッドリーの良さが出ていますね。

3ラウンドに入ると、開始直後からティモシー・ブラッドリーがデボン・アレキサンダーにプレッシャーをかけてロープへ追い込み、3ラウンド40秒、強烈な左フックから右フックのコンビネーションをデボン・アレキサンダーの顔面に叩き込みます。ティモシー・ブラッドリーは的確な連打を武器に、デボン・アレキサンダーの手数に対抗していますね。

ティモシー・ブラッドリーは世界タイトルを奪取したジュニア・ウィッター戦で証明したように、サウスポーを全く苦にしないボクサーです。サウスポーの正面に立って左ジャブを連打し、右ストレート、左右のフックを違和感なく打ち込めるティモシー・ブラッドリーのボクシングはデボン・アレキサンダーにとって本当に驚異ですね。

3ラウンドに偶然のバッティングでまぶたをカットし、何とか挽回しようとパンチを出すデボン・アレキサンダーに対して、ティモシー・ブラッドリーは「一発打たれたら三発返す」意気込みで、気迫を前面に押し出して戦っています。パンチのスピードは互角だと思いますが、パンチの破壊力はティモシー・ブラッドリーのほうが上回っている印象です。

ファン・ウランゴ戦で芸術的なカウンターを披露したデボン・アレキサンダーですが、この試合はティモシー・ブラッドリーが常に頭の位置を変えながら戦っているので、なかなかパンチが当たりません。本来、抜群の的中率を誇るデボン・アレキサンダーのパンチをことごとく避けることができるティモシー・ブラッドリーのディフェンスは本当に素晴らしいですね。

試合は中盤以降もティモシー・ブラッドリーのペースで進み、迎えた10ラウンド。再び偶然のバッティングでティモシー・ブラッドリーの頭がデボン・アレキサンダーのまぶた付近に当たり、ドクターが試合続行不可能と判断。10ラウンド負傷判定の結果、ティモシー・ブラッドリーがデボン・アレキサンダーに判定勝ちを収め、王座統一に成功しました。

アクシデントで最終ラウンドを待たずに終わりましたが、ティモシー・ブラッドリーの連打とディフェンス力がデボン・アレキサンダーのスピードを封じ込めた試合でしたね。正直なところ、ここまで差が付くと予想していなかったので、改めてティモシー・ブラッドリーの能力に驚いています。

勝ったティモシー・ブラッドリーは「ボクシング最激戦区と呼ばれるスーパーライト級で、すべての王座を統一できるんじゃないかな?」と期待してしまうほど素晴らしい可能性を秘めたボクサーだと思います。もしアミール・カーンやマルコス・マイダナとの対戦が実現すれば、世界中のボクシングファンが注目するスペシャルな試合になりそうですね。

デボン・アレキサンダー対ティモシー・ブラッドリーの試合結果

試合結果 ティモシー・ブラッドリーが10ラウンド負傷判定勝ちでWBCとWBOのタイトル統一に成功。敗れたデボン・アレキサンダーはプロ初黒星。
【公式ジャッジの採点結果】
  • 98-93
  • 97-93
  • 96-95
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