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アルフレド・アングロ対ジェームス・カークランドの強打者対決

WBC米大陸スーパーウェルター級タイトルマッチ

チャンピオン アルフレド・アングロ(メキシコ)
戦績:21戦20勝17KO1敗
挑戦者 ジェームス・カークランド(アメリカ)
戦績:30戦29勝26KO1敗

アルフレド・アングロ対ジェームス・カークランドの試合内容

猛烈なラッシュと強打を誇る元世界チャンピオンのアルフレド・アングロと強烈な一撃を誇るジェームス・カークランドが激突する強打者同士のサバイバルマッチです。どちらも「攻撃こそ最大の防御」という信念を持つ超好戦的なボクサー。KO必至の打撃戦の予感です。

アルフレド・アングロは2009年にカーミット・シントロンに判定負けを喫しましたが、その後、ハリー・ジョー・ヨルギーに3ラウンドKO勝ちでWBO世界スーパーウェルター級暫定タイトルを奪取したり、元世界チャンピオンのジョアシム・アルシンに1ラウンドTKO勝ちを収めたりと、世界のトップ戦線で戦い続ける生粋のファイターです。

一方、サウスポーのジェームス・カークランドは、石田順裕選手に1ラウンドTKO負けでプロ28戦目にして初黒星を喫しましたが、その後、連勝を重ね、再び世界のトップ戦線に戻ってきました。高いKO率を誇る強打者同士の激突。勝利を手にし、タイトル挑戦へ近づくボクサーはどちらでしょうか?

試合は1ラウンドから衝撃の展開を迎えます。試合開始のゴングが鳴ると、ジェームス・カークランドが力強いパンチを打ち込みながら前進し、アルフレド・アングロにプレッシャーをかけます。負けん気の強いアルフレド・アングロもパンチを打って応戦しますが、コーナーまで追い込まれます。

パンチを上下に打ち分けて畳みかけるジェームス・カークランド。しかし、ガードを固めてジェームス・カークランドのパンチを防いだアルフレド・アングロが打ち終わりを狙って、左フックから強烈な右ストレートをジェームス・カークランドのアゴに叩き込み、ジェームス・カークランドからダウンを奪います。

「ナイス、コンビネーション!アングロはパンチあるな。カークランドはまともにもらっちゃったけど、ダメージはどうだろう?」とジェームス・カークランドのダメージに注目する管理人。ダウンから立ち上がったジェームス・カークランドですが、ダメージは深そうですね。

一気に勝負に出るアルフレド・アングロは、ジェームス・カークランドに猛然と襲いかかり、強烈な左右のフックを上下に打ち分けます。パンチを出しながら必死に抵抗するジェームス・カークランド。アルフレド・アングロはオーソドックス・スタイルからサウスポーにスイッチしながら畳みかけようとしますが、この作戦が裏目に…

アルフレド・アングロがジェームス・カークランドをコーナーへ追い詰め、サウスポースタイルから左フックを打ち込もうとした瞬間、ジェームス・カークランドが左ストレートのカウンターをアルフレド・アングロのアゴに叩き込み、アルフレド・アングロの動きがガクンと鈍ります。

すると、ここからダウンを喫したジェームス・カークランドが奮起。ダメージと打ち疲れを抱えるアルフレド・アングロに対して、ジェームス・カークランドが強烈な左フックと左ストレートを連打し、防戦一方に追い込みます。

そして迎えた1ラウンド残り15秒。ジェームス・カークランドがアルフレド・アングロをコーナーに釘付けにして左ストレートから左右のフックを連打してアルフレド・アングロからダウンを奪い返します。タフなアルフレド・アングロが耐え切れず崩れ落ちましたね。

「何とか立ち上がったけど、めちゃめちゃ効いてるよ。アングロは耐えて耐えて粘った末のダウンだもんな。相当苦しいよ。逆にカークランドはチャンスだよ」と壮絶な1ラウンドに呆然とする管理人。ダウンは一度ずつですが、ダメージはアングロのほうが明らかに深いですね。

2ラウンドに入ると、ジェームス・カークランドが強打を連打して勝負に出ます。タフで強靭な精神力を誇るアルフレド・アングロはガードを固めながらパンチを応戦し、耐えようとしますが、ジェームス・カークランドのパンチがアルフレド・アングロにクリーンヒットする場面が増えてきました。

フラフラになりながら必死に持ちこたえるアルフレド・アングロは5ラウンド中盤、ジェームス・カークランドに強烈な右ストレートを打ち込み、ジェームス・カークランドのアゴが跳ね上がります。しかし、ダメージの影響か、アルフレド・アングロは足が動かず畳みかけることができません。

「アングロは足に力が入らなくなってきちゃったよ。カークランドも楽な状態じゃないんだけど、アングロに比べて、まだ余力が残ってるもんな。アングロはいよいよ苦しくなってきたぞ」と試合の行方を見守る管理人。

6ラウンドに入ると、アルフレド・アングロがサウスポースタイルにスイッチして何とか悪い流れを断ち切ろうとしますが、ジェームス・カークランドがコンパクトなパンチを集めてアルフレド・アングロをロープに追い詰め、左右のフックを連打します。

フラフラになりながら、パンチを出して応戦しようとするアルフレド・アングロですが、最後はジェームス・カークランドが左右のフックから右アッパー、左ストレートを顔面に打ち込み、アルフレド・アングロの体がよろめいたところで、レフェリーが試合をストップ!ジェームス・カークランドがアルフレド・アングロに6ラウンドTKO勝ちを収め、壮絶な打撃戦を制しました。

手に汗握る凄まじい壮絶な激闘でしたね。死闘を物語るダウン応酬の1ラウンドから決着がついた6ラウンドまで、ジェームス・カークランドとアルフレド・アングロが持てる力のすべてを出して戦い抜いた素晴らしい試合だったと思います。

先にダウンを奪われながら見事な逆転勝ちを飾ったジェームス・カークランド。しかし、それ以上にフラフラになりながら戦い抜いたアルフレド・アングロの姿が印象に残る試合でした。アルフレド・アングロの姿にボクサーの本能を感じたファンは管理人だけではないでしょう。

会場に詰めかけたファンの「ペロ(アルフレド・アングロのニックネーム)コール」に突き動かされ、戦い続けたアルフレド・アングロ。敗れはしましたが、アルフレド・アングロの決してあきらめない闘志がなければ、心が震える感動的な打撃戦は生まれなかったと思います。ジェームス・カークランドとアルフレド・アングロに特大の拍手を送りたいです。

アルフレド・アングロ対ジェームス・カークランドの試合結果

試合結果 ジェームス・カークランドが6ラウンドTKO勝ちで壮絶な打撃戦に勝利。
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テレビ放送日時 11月21日(土)HBOでPPVライブ中継(アメリカ)
11月22日(日)WOWOWで11時から生中継(日本)
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