WBC世界フェザー級タイトルマッチ

長谷川穂積選手とジョニー・ゴンサレスの試合内容

2階級制覇を達成した「日本のエース」長谷川穂積選手が2階級制覇を目指す好戦的なファイターのジョニー・ゴンサレスを迎えて初防衛戦を行います。ファン・カルロス・ブルゴスに勝って再起を果たした長谷川穂積選手はユリオルキス・ガンボアとファン・マヌエル・ロペスが君臨する厳選のフェザー級で存在感をアピールすることができるでしょうか？

試合は長いリーチを活かして中間距離からロングの左フック、右ストレートを狙うジョニー・ゴンサレスに対して、サウスポーの長谷川穂積選手はフットワークを使いながらスピードでジョニー・ゴンサレスを翻弄し、左ストレートを顔面、ボディーへ打ち分ける展開で始まります。

「スピードは長谷川選手、パワーはゴンサレス。わかりやすい試合になりそうだぞ」と試合の行方を見守る管理人。ジョニー・ゴンサレスはスロースターターなので、長谷川穂積選手としてはスピードを活かして序盤からポイントを奪い、ジョニー・ゴンサレスが焦って前へ出てきたところへカウンターを打ち込む展開に持ち込みたいですね。

1ラウンド最初の2分は長谷川穂積選手が上手く戦っていたのですが、残り1分、ジョニー・ゴンサレスが長谷川穂積選手が正面で足を止めた瞬間に左フックを強振し、得意のパンチが長谷川穂積選手のアゴを打ち抜きます。

長谷川穂積選手は足を止め、打ち返して応戦しようとしますが、その後もジョニー・ゴンサレスの左フックが長谷川穂積選手の顔面をとらえる場面が目立ち、1ラウンド終了のゴングが鳴り響きます。

「長谷川選手は少しムキになってるかな？ゴンサレスは真正面で打ち合うと真価を発揮するので、右に回りながら自分の左ストレートだけが当たる距離を保ちたいな」というのが1ラウンドを観た率直な感想です。

2ラウンドに入ると、長谷川穂積選手が試合の主導権を握ろうと開始直後からジョニー・ゴンサレスにプレッシャーをかけます。右ジャブで距離を測りながら飛び込んで左ストレートを狙う長谷川穂積選手に対して、ジョニー・ゴンサレスは打ち終わりに右ストレート、左フックを叩き込んで応戦しています。

「スピードで劣るゴンサレスは、長谷川選手の打ち終わりに必ずパンチを返して一方的な展開にならないよう工夫しているよ。長谷川選手はもう少し出入りのスピードを活かしたボクシングで勝負したいな」と長谷川穂積選手のボクシングに注目する管理人。KO狙いの長谷川穂積選手はあえてどちらのパンチも当たる危険と隣り合わせの距離で戦っているようです。

3ラウンドもお互いが真正面からパンチを狙う展開が続き、迎えた4ラウンド。「日本のエース」に再び悪夢が襲い掛かります。開始直後から長谷川穂積選手もジョニー・ゴンサレスもジャブを突いて距離を測り、開始45秒、ジョニー・ゴンサレスが右のロングフックを強振！

ジョニー・ゴンサレスがパンチを放った瞬間は「右ボディーブロー」と思ったのですが、狙いは長谷川穂積選手のアゴ。ジョニー・ゴンサレスのベストショットをまともにもらってしまった長谷川穂積選手はそのまま後ろへ崩れ落ち、ダウンを奪われてしまいます。

「うわ、ヤバイ！めちゃめちゃ効いてるよ」と思わずソファーから立ち上がる管理人。ダメージを負いながらも何とかダウンから立ち上がった長谷川穂積選手ですが、足元がおぼつかず、このままレフェリーが試合をストップ！ジョニー・ゴンサレスが長谷川穂積選手に4ラウンドTKO勝ちを収め、悲願の2階級制覇を達成しました。

打ち終わりにパンチを狙うジョニー・ゴンサレスの作戦が長谷川穂積選手を混乱に陥れた試合でしたね。再起戦で2階級制覇を達成し、激戦のフェザー級に参入を果たした長谷川穂積選手でしたが、本当に残念な結果に終わってしまいました。

悔しさのあまり「真正面で打ち合わなければ」と別のストーリーを思い浮かべてしまいますが、これがボクシングなんですよね。2階級制覇を達成したジョニー・ゴンサレスと的確な作戦を授けたトレーナーのナチョ・ベリスタインに拍手を送りながら、長谷川穂積選手の再起に期待したいと思います。

長谷川穂積選手とジョニー・ゴンサレスの試合結果