WBC世界スーパーバンタム級タイトルマッチ

西岡利晃選手とマウリシオ・ムニョスの試合内容

抜群の安定感で日本ボクシング界を引っ張る「孤高の天才」西岡利晃選手が手数の多いファイターのマウリシオ・ムニョスと拳を交える6度目の防衛戦です。西岡利晃選手は敵地メキシコで壮絶なKO防衛を果たしたジョニー・ゴンサレス戦、完璧なボクシングでサウスポー対決を制したレンドール・ムンロー戦など、防衛を重ねるごとに凄みを増しています。

さらなるビッグマッチを狙う西岡利晃選手が経験とテクニックでマウリシオ・ムニョスを翻弄するのか？それとも、若き挑戦者のマウリシオ・ムニョスがリーチの長さと手数を活かして西岡利晃選手を乱戦に巻き込むのか？世界中のボクシングファンが注目する防衛戦です。

試合は中間距離から左ジャブをポンポン突きながら右ストレートを狙う挑戦者のマウリシオ・ムニョスに対して、サウスポーの西岡利晃選手は右ジャブで距離を測りながら得意の左ストレートを顔面、ボディーへ打ち分ける展開で始まります。西岡利晃選手はマウリシオ・ムニョスのボクシングを分析しながら冷静に戦っている印象です。

「ムニョスは体ごと突っ込んでくる嫌なタイプだな。パンチを打ち出すとリズムに乗せてしまうので、西岡選手は先にパンチを当ててムニョスのリズムを崩したいよ」と試合の行方を見守る管理人。2ラウンドに入ると、西岡利晃選手がプレッシャーをかけ始め、少しずつ手数を増やしていきます。

「お、西岡選手、いい感じ」と思っていると、3ラウンド、マウリシオ・ムニョスが開始直後から接近戦を挑み、主導権を握ろうとします。1分すぎには、マウリシオ・ムニョスのロングの右フックが西岡利晃選手の顔面にヒット。西岡利晃選手の動きが一瞬止まり、ヒヤリとする場面が目の前に広がります。

しかし、西岡利晃選手は懐へ飛び込んで勝負しようとするマウリシオ・ムニョスに対して左アッパーを突き上げ、追撃を許しません。的確なパンチを急所に集めてマウリシオ・ムニョスの前進を食い止めています。冷静なボクシングでピンチを回避することができる経験とテクニックは、さすが西岡利晃選手です。

4ラウンド以降は、西岡利晃選手が左ストレートを顔面、ボディーへ打ち分け、マウリシオ・ムニョスの背中が丸くなるシーンが増え、迎えた8ラウンド。ポイントで劣勢なマウリシオ・ムニョスが勝負に出ます。

開始直後からサウスポーの西岡利晃選手に対して右のダブルを多用して突破口を見つけようとします。しかし、西岡利晃選手はマウリシオ・ムニョスの動きをよく見ながらガードの真ん中を打ち抜く左ストレートで応戦。マウリシオ・ムニョスは接近戦でボディーから顔面へ左フックを返して反撃しますが、西岡利晃選手の左ストレートがマウリシオ・ムニョスのアゴを打ち抜く場面が増えてきました。

「ムニョスの右目が見る見るうちに腫れてきたね。西岡選手のパンチが的確に当たってる証拠だよ」と改めて西岡利晃選手のボクシング技術に感心する管理人。9ラウンドに入ると、西岡利晃選手が細かいパンチを上下に打ち分けてダメージを与え、フィニッシュを狙います。

世界タイトル初挑戦のマウリシオ・ムニョスも勝利への執念を見せ、パンチを出して応戦しますが、残り30秒、西岡利晃選手の鋭いワンツーがマウリシオ・ムニョスのアゴを打ち抜き、マウリシオ・ムニョスの腰がガクンと落ちます。

「めちゃめちゃ効いた！」と思わず声を挙げる管理人。一気に勝負を決めたい西岡利晃選手は細かいパンチを上下に打ち分けてマウリシオ・ムニョスに休む時間を与えず、最後は狙い済ました強烈な左ストレートをマウリシオ・ムニョスのアゴに叩き込み、マウリシオ・ムニョスがダウン！

マウリシオ・ムニョスはフラフラになりながらも何とか立ち上がりましたが、10カウント以内にファイティングポーズを取ることはできず、西岡利晃選手がマウリシオ・ムニョスに9ラウンドKO勝ち。「孤高の天才」西岡利晃選手が抜群のボクシング技術を見せつけ、6度目の防衛に成功しました。

「さすがは西岡選手！」としか言いようがない見事な試合でしたね。試合を冷静にコントロールしてタフで好戦的なマウリシオ・ムニョスをリズムに乗せず、最後はジョニー・ゴンサレスを沈めたモンスターレフトで完璧なフィニッシュを見せてくれました。防衛を重ねるたびに円熟味を増している感じです。

西岡利晃選手の充実ぶりを考えると、減量苦や故障がない限り、世界チャンピオンクラスじゃないと勝負にならないと思います。今後は統一戦を含め、さらなるビッグマッチに期待したいです。フェルナンド・モンティエルに衝撃的なKO勝ちを収めたノニト・ドネアとの対戦が実現すると、めちゃめちゃ盛り上がりそうですね。

西岡利晃選手とマウリシオ・ムニョスの試合結果