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ブランドン・リオス対リカルド・アブリルの王座決定戦

WBA世界ライト級王座決定戦

前WBA世界
ライト級チャンピオン
ブランドン・リオス(アメリカ)
戦績:30戦29勝22KO1分
WBA世界ライト級
暫定チャンピオン
リカルド・アブリル(キューバ)
戦績:20戦17勝8KO2敗1分

ブランドン・リオス対リカルド・アブリルの試合内容

前チャンピオンのブランドン・リオスと暫定チャンピオンのリカルド・アブリルが空位のWBA世界ライト級タイトルをかけて激突する王座決定戦です。パワーのブランドン・リオス対テクニックのリカルド・アブリルの楽しみな対決ですね。

当初、ブランドン・リオスはユリオルキス・ガンボアと対戦する予定でした。しかし、ユリオルキス・ガンボアが直前で試合をキャンセルしたため、対戦相手がリカルド・アブリルへ変更になった経緯があります。

「ガンボアのキャンセルは残念だけど、アブリルも攻防兼備のすばらしいテクニシャンだよ。いい試合になりそうだぞ」と期待する管理人。ところが、ブランドン・リオスが試合前の計量に失敗!前回のジョン・マレー戦に続き、2試合連続で体重オーバーになってしまいました。

「うそっ!また体重オーバー?人気も実力もあるのに、リオスは自分で自分の価値を下げちゃってるよ」とブランドン・リオスの減量失敗にガッカリの管理人。ブランドン・リオスが体重オーバーのため、リカルド・アブリルが勝った場合に限り、チャンピオンに認定される王座決定戦が幕を開けます。

試合は、ガードを固めて前進し、接近戦でパンチを強振しようとするブランドン・リオスに対して、リカルド・アブリルが鋭い左ジャブを突きながら、コンパクトなパンチを連打して応戦する展開で始まります。

中間距離から左ジャブを突くリカルド・アブリル
【Photo:The Ring Magazine

「アブリルのコンパクトなパンチが有効だね。アブリルはリオスが懐へ飛び込もうとするところへ鋭いパンチを連打して、懐へ入られたらクリンチで攻撃を防ぐ戦い方だよ。キューバ出身のボクサーらしく、テクニックがしっかりしているね」とリカルド・アブリルのボクシングに注目する管理人。

一方のブランドン・リオスは、いつも通り、ガードを固めて得意の打ち合いに持ち込もうとしていますが、リカルド・アブリルに上手くさばかれている印象です。ブランドン・リオスは左ジャブを突きながら前進して、そこから連打につなげたいですね。

猛然と突進するブランドン・リオス
【Photo:The Ring Magazine

試合序盤は、リカルド・アブリルが懐へ入ってくるブランドン・リオスにコンパクトなパンチを打ち込み、素早く左右に動いて、ブランドン・リオスの攻撃をかわす展開で進みます。リカルド・アブリルのテクニックが、ブランドン・リオスのパワフルな攻撃を上手く空回りさせていますね。

試合中盤になると、ブランドン・リオスが突進を強めますが、リカルド・アブリルの手数は減りません。手数だけを比較すると、ブランドン・リオスの一発に対して、リカルド・アブリルは三発くらいパンチを打っていると思います。パンチの種類も豊富で、当て勘もいいですね。

右アッパーを突き上げるリカルド・アブリル
【Photo:The Ring Magazine

試合終盤になると、劣勢のブランドン・リオスがプレッシャーを強め、ポイントを奪い返すため、勝負に出ます。左ジャブを突いて猛然と前進しながら、得意の左フックを狙いますが、リカルド・アブリルはブランドン・リオスが左ジャブを打ち込もうとするタイミングで、体を密着させ、パンチの威力を上手く消し去っています。

「リオスが手数を増やして勝負に出たけど、アブリルのディフェンスが絶妙だよ。リオスは減量の失敗が影響しているのかな?スタミナが切れてきたみたい。アブリルはまだまだ余裕がありそうだもんな。リオスはいよいよ苦しくなってきたよ」と試合終盤を迎えた両者のボクシングを比較する管理人。

左ジャブを突くブランドン・リオス
【Photo:The Ring Magazine

最終ラウンドも、前進して何とか自慢の強打を当てようとするブランドン・リオスですが、リカルド・アブリルが鋭い右ストレートのカウンターを打ち込むなど、主導権を渡さないまま、試合終了のゴングが鳴り響きます。

結果は3人のジャッジに委ねられ、結果は2人がブランドン・リオス、1人がリカルド・アブリルを支持。前チャンピオンのブランドン・リオスが暫定チャンピオンのリカルド・アブリルに僅差の判定勝ちを飾り、無敗をキープしました。

えええ!まさかの判定結果に驚きを隠せない管理人です。リカルド・アブリルがブランドン・リオスを圧倒した展開に思えたのですが、ブランドン・リオスに軍配が上がりました。勝ったブランドン・リオスは体重オーバーで評価を下げ、決して賞賛される内容ではありませんでしたが、ギリギリ踏み止まりましたね。

一方、敗れたリカルド・アブリルは本当に気の毒な結果になってしまいました。ユリオルキス・ガンボアの試合キャンセルで、急遽、ブランドン・リオス戦が決まり、巡ってきた想定外のビッグマッチに気合い十分でリングに上がったと思います。

試合内容もすばらしく、強打のブランドン・リオスを空回りさせ、試合をコントロールするリカルド・アブリルの勇姿とテクニックに、世界中のボクシングファンが拍手を送ったのではないでしょうか?足りないものがあるとすれば、「勝者、リカルド・アブリル」の一声だけだったと思います。

「ぜひ再戦で決着をつけてほしいです!」と言いたいところですが、2試合連続で体重オーバーの失態を演じたブランドン・リオスがライト級で戦うことは厳しい気がするので、近い将来、WBAがリカルド・アブリルに再び世界タイトル挑戦のチャンスを与えてあげることを期待したいです。「真の勝者なき王座決定戦」に切なくなってしまった管理人でした。

ブランドン・リオス対リカルド・アブリルの試合結果

試合結果 ブランドン・リオスが12ラウンド僅差の判定勝ち。ブランドン・リオスが勝ったため、タイトルは再び空位となりました。
【公式ジャッジの採点結果】
  • 116-112(ブランドン・リオス)
  • 115-113(ブランドン・リオス)
  • 117-111(リカルド・アブリル)
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