アンドレ・ウォード対チャド・ドーソンの試合内容（後編）

明暗分かれた王者対決！アンドレ・ウォード対チャド・ドーソン（前編）を読む

3ラウンドと4ラウンドにダウンを奪い、試合の主導権を握ったチャンピオンのアンドレ・ウォード。階級を下げて2階級制覇を目指す挑戦者のチャド・ドーソンは、アンドレ・ウォードにカウンターを打ち込まれる苦しい展開を強いられています。

ライトヘビー級を主戦場にしているチャド・ドーソンは、スーパーミドル級でアンドレ・ウォードと戦うため、いつもより約3キロ体重を落として、この試合に挑んでいます。

チャド・ドーソン陣営は「スタミナに余裕のある序盤で主導権を握りたい」と考えていたと思うのですが、最悪の展開になっちゃいましたね。素人の目から見ても、コンディションが良くないことは明らかです。

2度目のダウン以降は、アンドレ・ウォードがチャド・ドーソンを圧倒する展開が続きます。やりたい放題のアンドレ・ウォードに対して、チャド・ドーソンは立っていることが精一杯のめちゃめちゃ苦しい状況です。

【Photo:The Ring Magazine】

「オスカー・デラホーヤ対マニー・パッキャオのような一方的な展開になってきたね。ドーソンは体に全く力が入っていないよ。動きたくても動けない状態じゃないかな？体が大きいドーソンのほうがクリンチや押し合いで力負けしてるもん」と予想外の展開に少しずつ言葉を失う管理人。

試合はこのままアンドレ・ウォードの一方的なペースで進み、迎えた10ラウンド残り40秒。アンドレ・ウォードの左フックがチャド・ドーソンのテンプルへ直撃し、チャド・ドーソンが「フラフラ状態」になります。

「あ、効いた！ウォードはフィニッシュできるかな？」と思った瞬間、アンドレ・ウォードが力強いコンビネーションブローを連打し、チャド・ドーソンから3度目のダウンを奪います。

ダウンから立ち上がったチャド・ドーソンですが、レフェリーにギブアップを告げ、勝負あり。世界中のボクシングファンが注目した夢のチャンピオン対決は「神の子」アンドレ・ウォードがチャド・ドーソンを圧倒し、圧巻の強さを見せつける結果に終わりました。

【Photo:The Ring Magazine】

アンドレ・ウォードの強さだけが印象に残った衝撃の展開でしたね。「ライトヘビー級最強」の呼び声が高いチャド・ドーソンが何もできず、初のKO負けを喫した内容に絶句してしまいました。

試合前は「ドーソンがベストコンディションでリングに上がったら、ウォードはめちゃめちゃ苦しくなりそうだよ。KO負けの可能性もあるんじゃないかな？」と予想していました。ところが、蓋を開けてみると、全く反対の結果になっちゃいましたね。

正直なところ、チャド・ドーソンのコンディションは管理人が観戦した試合で最悪でした。逆に、アンドレ・ウォードのコンディションは最高だったと思います。チャド・ドーソンが「大きな挑戦」と表現した過酷な減量が、勝敗を左右した印象は否めない内容でした。

ただ、チャド・ドーソンのコンディションを抜きにしても、アンドレ・ウォードの完成度は度肝を抜くものがあったと思います。2011年に続き、2012年も「年間最優秀ボクサー」に選出される可能性があるかもしれませんね。それくらい強烈なインパクトを残した圧勝でした。

大きなリスクを伴うチャンピオン対決で圧巻のボクシングを披露したアンドレ・ウォード。「神の子」のボクシングセンスに世界中のボクシングファンが酔いしれた夢のチャンピオン対決でした。「アメイジング・アンドレ」に特大の拍手です！

アンドレ・ウォード対チャド・ドーソンの試合結果