ミドル級12回戦
WBO暫定世界 スーパーウェルター級王者 |
ポール・ウィリアムス(アメリカ) 戦績:37戦36勝27KO1敗 |
元3団体統一世界 スーパーウェルター級王者 |
ロナルド・ライト(アメリカ) 戦績:56戦51勝25KO4敗1分 |
試合内容
2階級制覇を達成したポール・ウィリアムスが、元3団体統一世界スーパーウェルター級チャンピオンのロナルド・ライトと激突するミドル級ノンタイトルマッチです。長身で攻撃的なポール・ウィリアムスと、鉄壁のディフェンスを誇るベテランのロナルド・ライト。新旧を代表するサウスポー同士の戦いですね。
試合は序盤から、ポール・ウィリアムスが回転の速い連打で、ロナルド・ライトのガードを打ち破ろうとする予想通りの展開。208センチのリーチを武器に、中間距離から上下にパンチを打ち分けるポール・ウィリアムスに対して、百戦錬磨のロナルド・ライトはポール・ウィリアムスをブロックし、打ち終わりを狙ってカウンターを打ち込む作戦のようです。
「ウィリアムスは1ラウンドからエンジン全開だなあ。さすがのライトも回転の速い上下のコンビネーションに手を焼いているよ。どこまでライトが持ちこたえられるかな?」というのが1ラウンドを観た感想です。シェーン・モズリー、フェリックス・シュトルムなど、名だたるボクサーのパンチをブロックしてきたロナルド・ライトですが、ポール・ウィリアムスのリーチの長さ、回転の速さに驚いているようですね。
まずは相手のパンチをブロックして、それから打ち終わりを待って反撃する攻防分離のロナルド・ライトに対して、この試合のポール・ウィリアムスは手数で勝負する作戦です。右ジャブから左ストレート、右アッパーのボディーブロー、左右のアッパーなど、この試合のポール・ウィリアムスは本当に手数が多い!ロナルド・ライトに反撃するチャンスを与えないほどの連打です。
試合前は「前半耐えて後半になれば、ライトに主導権が移るかな?」と思っていたのですが、予想に反して、中盤以降も、ポール・ウィリアムスのペースで進みます。ロナルド・ライトは、ポール・ウィリアムスの連打をさばくだけで精一杯。反撃しようにも、距離が違いすぎて、ロナルド・ライトのパンチがポール・ウィリアムスに届きません。
結局、試合は終始、ポール・ウィリアムスのペースで進み、ポール・ウィリアムスが12ラウンド大差の判定勝ちでロナルド・ライトを破りました。ウェルター級、スーパーウェルター級の2階級を制し、この試合がミドル級の試運転となったポール・ウィリアムスにとって、ロナルド・ライト戦は絶好のアピールの場になりましたね。実力者のロナルド・ライト相手に、「次元が違う戦い」でした。
ポール・ウィリアムス自身は「ウェルター、スーパーウェルター、ミドルのどの階級でも戦うよ」と言っていますが、管理人はミドル級で戦うポール・ウィリアムスを観たいです。2009年5月現在のミドル級は、WBAチャンピオンのフェリックス・シュトルム、WBC・WBOチャンピオンのケリー・パブリック、IBFチャンピオンのアルツール・アブラハムの3人のチャンピオンが抜きに出て、挑戦者がいない状態ですが、ポール・ウィリアムスなら誰と戦っても名勝負になると思います。
もしポール・ウィリアムスがミドル級に専念すれば、すべてのタイトルを統一することも夢ではないでしょう。リーチが長いのに、中間距離でも接近戦でも戦える柔軟性があり、12ラウンド打ち続けられる驚異的なスタミナもあります。しかも、パンチの種類が豊富で、当て勘が抜群!マニー・パッキャオが「表のパウンド・フォー・パウンド」なら、ポール・ウィリアムスは「裏のパウンド・フォー・パウンド」というところでしょうか?
スーパースターゆえ、世界中のボクサーが対戦を熱望するマニー・パッキャオと違って、ポール・ウィリアムスは世界中のボクサーが「できるなら対戦を避けたい」と願うボクサーだと思います。「パニッシャー」の異名を持つポール・ウィリアムスは、一体どこまで対戦相手を倒し続けるのでしょうか?
試合結果
試合結果 | ポール・ウィリアムスが12ラウンド大差の判定勝ちで新旧対決に勝利。管理人の採点は119-109でポール・ウィリアムスの勝ちでした。 【公式ジャッジの採点結果】
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