WBO世界スーパーウェルター級暫定王座決定戦
前WBO世界 ウェルター級チャンピオン |
ポール・ウィリアムス(アメリカ) 戦績:36戦35勝26KO1敗 |
前IBF世界スーパー ウェルター級チャンピオン |
バーノ・フィリップス(アメリカ) 戦績:54戦42勝21KO10敗1分1無判定 |
試合内容
2007年7月、5年以上世界タイトルを防衛し続けたアントニオ・マルガリートを判定で破り、初の世界タイトルを手にしたポール・ウィリアムス。ケリー・パブリック、チャド・ドーソンと並び、「アメリカの新三羽ガラス」と呼ばれる次世代のスーパースターが満を持して2階級制覇に挑戦します。
ポール・ウィリアムスは恵まれたリーチを活かして戦う長身のサウスポー。208センチという驚異のリーチを活かし、相手が届かないポジションで戦えるだけでなく、接近戦で回転の速い連打を打ち込むこともでき、強打とスピードを兼ね備えた万能型のボクサーです。
一方のバーノ・フィリップスは3度の戴冠を果たしたベテランファイター。前IBF世界スーパーウェルター級チャンピオンで、タイトルを返上してポール・ウィリアムス戦を選ぶほど、今回の王座決定戦にかけています。バーノ・フィリップスが経験を活かして次世代のスーパースターの勢いを止めることができるでしょうか?
試合は序盤からポール・ウィリアムスのペースで進みます。持ち前のリーチを活かした右ジャブ、左ストレートを中心に中間距離のパンチで、バーノ・フィリップスの出足を止め、試合の主導権を奪います。ウェルター級から上がっていたポール・ウィリアムスのほうが、スーパーウェルター級で戦い続けているバーノ・フィリップスよりはるかに大きいですね。
さすがのバーノ・フィリップスもポール・ウィリアムスの懐の深さに戸惑っている感じです。バーノ・フィリップスはフットワークを使って、チャンスと見るや、一気に懐に飛び込んで左右のフックを思い切り叩き込む作戦のようですが、想像以上に距離が長いんでしょうね。バーノ・フィリップスのパンチがほとんど届きません。
バーノ・フィリップスの作戦は、ポール・ウィリアムスに唯一の黒星を付けたカルロス・キンタナの戦い方を参考にしているようで、作戦的には素晴らしいと思います。実際、単発ですが、バーノ・フィリップスのパンチがポール・ウィリアムスの顔面をとらえる場面もあります。しかし、ポール・ウィリアムスの懐が深いため、パンチを連打できないんですね。
一方のポール・ウィリアムスは中間距離からパンチを打ち込み、チャンスと見るや、接近戦でパンチを連打します。ラウンドが進むにつれて、顔面だけでなく、ボディーブローも打ち始め、バーノ・フィリップスは苦しい展開。3ラウンドの終盤には、ポール・ウィリアムスがバーノ・フィリップスをロープへ追い詰め、上下に素晴らしいコンビネーションブローを打ち分けます。
4ラウンド以降は、バーノ・フィリップスがボディーブローを嫌がる場面が目立ち、ポール・ウィリアムスが完全に試合を支配します。試合はこのままポール・ウィリアムスの一方的なペースで進み、8ラウンド終了後のインターバルで、バーノ・フィリップスがギブアップ。ポール・ウィリアムスが快勝で2階級制覇に成功しました。
ポール・ウィリアムスは、文句のつけようがないボクシングで2階級制覇を達成しましたね。階級を上げたことで、力強さ、スタミナが増し、しかもスピードが落ちていないという最高のコンディションです。完璧な試合内容に驚いた管理人ですが、次の試合でロナルド・ライトと対戦することが決まり、さらに驚いてしまいました。
鉄壁のガードを誇るディフェンスマスター、ロナルド・ライトですが、パンチがない分だけ、ポール・ウィリアムス陣営は戦いやすいと感じているのかもしれませんね。ロナルド・ライトは経験豊富で、試合運びの上手いボクサーなので、苦しい試合になりそうですが、もしロナルド・ライトに勝てば、ポール・ウィリアムスは一気にスターの階段を駆け上がりそうです。
試合結果
試合結果 | ポール・ウィリアムスが8ラウンド終了TKO勝ちで2階級制覇に成功。 |