「スピードキング」対「フィリピーノ・フラッシュ」はスピードが勝負の決め手?
西岡利晃とノニト・ドネアの試合予想なんてできるわけがない(前編)を読む
最近のノニト・ドネアの試合をチェックすると、実はパンチを被弾するシーンが目立つことに気が付きます。対戦相手のパンチも当たるのですが、「あのパンチをもらったら試合が終わる」という気持ちがあるので、対戦相手が踏み込めないケースが多いのだと思います。
その点、西岡利晃選手は勇気を持って踏み込んでパンチを打てるボクサーです。おそらく、スーパーバンタム級でノニト・ドネアを相手に思い切りよく踏み込んでパンチを打てるボクサーは、西岡利晃選手とギジェルモ・リゴンドーしかいないと思います。
ただし、ノニト・ドネアが元気な序盤はリスクも高くなるので、8ラウンド以降が本当の勝負になりそうです。最近のノニト・ドネアは終盤に失速する傾向があるので、中盤までは我慢して、終盤に攻勢をかけたいですね。
一方、ノニト・ドネアが立ち上がりから勝負に出てきた場合はどうでしょうか?実は、このパターンこそ、西岡利晃選手が最も勝つ確率が高いと思っています。
西岡利晃選手はパンチをブロックするだけでなく、パンチを空振りさせるディフェンス技術に長けているので、ノニト・ドネアが最も疲れる展開になると思うからです。
王座を統一したジェフリー・マセブラ戦のような出来なら、西岡利晃選手が後半に仕留める姿が頭に浮かびます。西岡利晃選手がコツコツとカウンターを打って、最終的に左ストレートか左アッパーで倒しきれるのではないでしょうか?
【Photo:The Ring Magazine】
逆に、西岡利晃選手にとって、一番厄介なパターンはどんな展開でしょうか?ズバリ、ノニト・ドネアが左ジャブから回転の速い連打につなぎ、打ち終わったらすぐに離れるパターンです。
ノニト・ドネアがスピードを生かしながら、大振りのパンチを捨て、コンパクトなパンチに徹して戦う展開になると、さすがの「スピードキング」西岡利晃選手と言えど、苦しくなりそうです。
ノニト・ドネアの特筆すべき能力に「あらゆる角度から強いパンチを打てる足腰の強さ」があります。得意の左フックはもちろん、アッパーもストレートも破壊力抜群。相手のガードが空いているところを狙って、距離に関係なくパンチを打ち込む技術は超一級品です。
規則的なコンビネーションブローと前後の動きだけなら「西岡選手の動体視力とキャリア、ポジショニングの巧みさがあれば、何とかなるはず」と思うのですが、あらゆる角度から放たれるコンビネーションブローと左右の動きが加わると、ブロックで精一杯になるかもしれません。一発もらうと、終わっちゃいますからね。
もちろん、西岡利晃選手の陣営が、ノニト・ドネアのスピード対策を用意していることは間違いないので、個人的に「スピードキング」と「フィリピーノ・フラッシュ」のスピードに注目しながら試合を観戦すると、一番楽しめるんじゃないかと思います。
動きのスピード、パンチのスピード、判断のスピード。一瞬のミスが命取りにつながりかねない「スーパーバンタム級最強決定戦」。ノニト・ドネアのスピードに序盤で対応することができれば、試合後に西岡利晃選手の歓喜の表情が待っている気がする管理人でした。
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キャリア | ノニト・ドネア |
テレビ視聴 | 10月14日(日)11:00からWOWOWで生中継。視聴の詳細は「WOWOW公式サイト」をご覧下さい。 |