2011年の「カムバック・オブ・ザ・イヤー」はメキシコが誇る「恐怖の男」
ボクシングの老舗雑誌「リングマガジン(The Ring Magazine)」の公式ホームページで、読者が選ぶ2011年の「カムバック・オブ・ザ・イヤー」の発表がありました。読者が選んだ2011年の「年間最高試合」「ノックアウト・オブ・ザ・イヤー」に続き、めちゃめちゃ興味深いランキング結果になりましたね。
「カムバック・オブ・ザ・イヤー」は文字通り、見事な復活を果たし、ボクシング界を盛り上げたボクサーに与えられる賞です。「カムバック・オブ・ザ・イヤー」のキーワードは「復活」。大きな敗北や挫折を味わい、華麗に復活を遂げたボクサーに授与される、ボクシングファンにとってだけでなく、ボクサーにとって希望となる賞ですね。それでは、読者が選んだ2011年の「カムバック・オブ・ザ・イヤー」トップ5をどうぞ。
「リングマガジン」読者が選んだ2011年「カムバック・オブ・ザ・イヤー」TOP5
第1位 | エリック・モラレス |
第2位 | ジェームス・カークランド |
第3位 | ブライアン・ビロリア |
第4位 | ホルヘ・アルセ |
第5位 | アントニオ・ターバー |
「リングマガジン」の読者が選んだ2011年の「カムバック・オブ・ザ・イヤー」はメキシコが誇る「恐怖の男」エリック・モラレスでした。2011年のエリック・モラレスの活躍は本当に素晴らしかったと思います。特に敗れはしましたが、マルコス・マイダナ戦の激闘は強く印象に残っています。マルコス・マイダナに真っ向から立ち向かう勇姿はたくさんのボクシングファンに感動を与えたのではないでしょうか?
また、3位にランクされたライトフライ級屈指の強打を持つブライアン・ビロリアのカムバックも印象的でした。ライトフライ級はブライアン・ビロリアやローマン・ゴンサレスをはじめ、軽量級とは思えない破壊力のあるボクサーが集まる階級で、日本の井岡一翔選手が2階級制覇を目指す上で避けては通れない強豪がズラリとそろっています。ブライアン・ビロリアは日本人ボクサーと戦う可能性もあるので、2012年も注目ですね。
おしまいに、応援しているボクサーが全盛期を過ぎ、ボコボコに負ける姿を見ると本当に悲しくなります。逆に、第1位にランクされたエリック・モラレスのように「全盛期のキレはなくなったけど、全盛期に負けないボクシングを展開しているよ。すごいな」と実感する試合を観戦すると、たくさんの勇気をもらうことができます。
ボクシングの歴史に名を残す偉大なボクサーも必ず「衰える瞬間」を迎えます。しかし、培った経験や技術、ボクシングに対する情熱は、色あせることがありません。あるボクサーは全盛期のスタイルを貫いて、あるボクサーは全盛期のスタイルをガラリとチェンジして、リングで戦い続けています。
そこには「リングで生き残るために振り絞った知恵」「全盛期に近づき、全盛期を超えようと願うチャレンジ精神」を感じることができます。だからこそ、戦う姿が世界中のボクシングファンの心に響くと思うんです。2012年は誰の「カムバック」がボクシングファンの心をとらえるのでしょうか?今年もたくさんの勇気を与えてくれる「カムバック」に大きな拍手を送れる1年になるといいな。