ポール・ウィリアムスがバイク事故で再起不能!12年のプロ生活に別れ
2012年5月28日、世界中のボクシングファンに大きな衝撃を与えるニュースが駆け巡りました。2階級制覇の実績を誇るサウスポーのポール・ウィリアムスがジョージア州アトランタの郊外をバイクで走行中に転倒し、脊髄損傷の重傷を負ってしまったのです。
バイクを運転していたポール・ウィリアムスは、乱暴運転の対向車を避けようとしてカーブを走行中にバイクから大きく投げ出され、腰を強打。すぐに病院へ搬送され、一命を取り留めましたが、腰から下が麻痺し、今後歩くことができない可能性があるそうです。兄の結婚を祝った直後に起きた不運な事故でした。
【Photo:The Ring Magazine】
長身のサウスポーで「対戦相手が最も嫌がるボクサー」と知られるポール・ウィリアムスは2012年9月15日(日本時間9月16日)、無敗の快進撃を続ける若き世界チャンピオンのサウル・アルバレスと対戦する予定でした。しかし、ビッグマッチに恵まれなかった実力者がやっと手にした念願の新旧スーパースター対決は夢と消え、引退を余儀なくされてしまいました。
不運な事故でリングに別れを告げることになった30歳のポール・ウィリアムス。「今後、歩くことができないかもしれない」と宣告された人気ボクサーが、事故後、何よりも優先したことはボクシングファンへの謝罪でした。
「ビッグマッチが実現できなくて、みんな本当にごめん。自力で座ることはできるんだけど、歩ける可能性はすごく低いって言われたよ。でも、歩けるようになりたいと思うし、歩ける気がするんだ。もし歩くことができなくても、大丈夫、心配しないで。そのときはボートに乗って釣りでもしようかな」とファンに謝罪をしながら明るく振る舞いました。
【Photo:The Ring Magazine】
ポール・ウィリアムスは、世界中のボクシングファンから実力を認められながらも、世界中の強豪から最も対戦を避けられたボクサーです。長身でリーチが長いので、中間距離で戦えば、「誰も近づけないよ」と思うのですが、接近戦の打ち合いが大好きなんです。
攻撃的なボクシングを貫いたため、衝撃のKO負けを喫したこともありました。でも、いつも正々堂々と真っ向から勝負する姿が印象的でした。「勇敢」という言葉が似合うボクサーです。ボクシングの歴史上、最も誇り高いボクサーのひとりだと思います。
リングで戦うポール・ウィリアムスの勇姿を目にすることはもうできません。奇跡が起こらない限り、歩くことも困難な状態です。絶望的な状況で、自分の心配よりファンに対する謝罪や配慮を優先したポール・ウィリアムス。彼の愛すべきキャラクターがにじみ出た瞬間でした。
「ファンのみんな、元気づけてくれて本当にありがとう。みんなの愛とサポートに心から感謝してるんだ。歩く姿をみんなに早く披露できるよう、これからは『リング外の戦い』を全力で頑張るよ」と感謝の気持ちを語ったポール・ウィリアムス。一日も早い回復を祈っています!ポール・ウィリアムスに大きな愛を!
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